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まさかカートがふたつになるとは思わなくて、イカつい男と華奢な女の子が二人並んでカートを押すという異様な光景が出来上がってしまった。
「すみません……普段の買い出しもしておきたくて……」
「別に構わねぇよ。こういうのは男手があった方がいいんだろ?」
「まぁ、買いだめするのには男手があると助かります……今日はモッチーさんがいてくれたので助かりました…!特売のお醤油もおひとり様一本だったし!」
「特売品なんて気にしなくてもあいつが金出すだろ。」
「やっぱり何事も倹約が大事ですよ!蘭さんだっていつ何があるか分かりませんもん。貯金は大事です!」
蘭は普通の人間ではない。それは望月も、ほかの幹部もそうだ。普通の仕事であれば心配することの無いような所まで気を配らなければならない。どんなに金を持っていても、なにかの積み重ねが大事なのだと語る彼女は、やはり蘭には勿体ないほど出来すぎている。あんなやつその辺の阿婆擦れで十分じゃなかろうかと思ってしまったが、もちろん口には出さない。
大量に商品が乗せられたカートを押してレジに通し、Aが会計をしている間に、レジに通し終わった商品を望月が袋に詰め始めた。しかし、普段こんなことをしたことが無い望月は、これは先に入れるべきか否かをずっと考え込んでいる。イカつい大男が袋詰めをする異様な光景に、他の客は少し怯えた様子だった。
「大丈夫です?」
「あ、あぁ……これは上の方がいいか?」
「あ、はい!これを先に入れて………ここに入れてください!」
「あぁ。」
逆に足でまといになってなかろうかと心配になるほど、彼女はテキパキと商品を袋に詰めた。正直、荷物持ちしか出来ることがなかった。あとはお醤油の特売と卵の特売で役に立ったくらいである。申し訳ねぇ……と思いつつも、買った商品を車の後部座席に詰め込んだ。
「ありがとうございます!助かりました!」
「気にすんな。にしても……この量一人で料理すんのか……?」
「はい!」
「……竜胆と鶴蝶は料理できたはずだから時間作るように言っとくな。」
「え!?そんなの悪いですよ……!皆さんの疲労を和らげるためのお正月なのに!」
「お前が休まらないと意味ないだろ。あいつらだって、嬢ちゃんの手伝いなら喜んでするだろ。」
「でも……」と申し訳なさそうにする彼女の頭を撫で、話を逸らすように「ほら乗れ。身体冷えるぞ。」と、望月も運転席の扉を開けた。
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響 - 一気見しました!も…面白すぎます……!幼馴染3人が好きすぎるww 続き待ってます〜 (2022年7月19日 16時) (レス) id: 34c7fcf53f (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん(プロフ) - 面白すぎて一気に読んじゃいました!幼馴染3人がほんとに大好きで、七三パープルに笑い転げましたwwwww (2022年5月25日 3時) (レス) @page27 id: b3862cde2f (このIDを非表示/違反報告)
ミラ(プロフ) - 続編おめでとうございます!幼馴染やばw どうか夢主ちゃんの信じている人を信じてあげて😭 蘭ちゃんと夢主ちゃんを見るたびにほのぼのします!これからも更新楽しみにしてます! (2021年12月11日 18時) (レス) @page12 id: 23e9cd344d (このIDを非表示/違反報告)
ほーちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます(^^) (2021年12月6日 16時) (レス) id: 18b3c2d1e1 (このIDを非表示/違反報告)
赤とんぼ(プロフ) - 続編おめでとうございます! (2021年12月6日 0時) (レス) @page6 id: cb6eaa4562 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年12月6日 0時