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騒がしかった室内は今やどんちゃん騒ぎである。鍋いっぱいに作られたお雑煮をもちの入った器に入れている間にも、リビングからはキャッキャとはしゃぎ声が聞こえる。ほんとに反社か?
「大知〜栗きんとんたべたい〜」
「はいはい。取ってやるから待ってろ。」
「大知、あんまり甘やかすな。あ、ついでに昆布巻き取ってくれよ。」
「どの口が言ってんだどの口が。」
本庄の皿に栗きんとんをのせ、久井の皿に昆布巻きをよそう。その姿は兄貴と言うより母親のようで、見かけによらずしっかりしてるもんだな、なんて感心してしまうものだ。
「マイキーくんは?ローストビーフいらねぇ?Aの特製だからうめぇよ。」
「……じゃ、少し貰う。」
「ん。ほかは?いる奴いねぇの?今なら取ってやる。」
「じゃあ俺貰うわ〜」
「てめぇは自分でやれや。」
「俺にだけ当たり強くね?」
ケラケラと笑う蘭の手から皿を奪い、そんなことを言いつつもちゃんとさらによそってやる。特製のタレを上からかけてそれぞれに配っていく。
「ありがとう大知。皆さんお餅ふたつで良かったですか?」
「あぁ、ありがとうな。おぼん貰うぞ。」
「ありがとうおみくん!あ、皆さんお酒飲みますか?大寿くんがお高い日本酒を沢山送ってくれたので!」
「え、まじ?のみたい。」
「お前ら未成年だろ……」
「鶴蝶さん、バレなきゃ犯罪じゃないんですよ。普段から真面目に生きてるんですから少しくらい悪いことしたってバチ当たらないんで。」
「Aちゃんも座って食べなよ。今日ずっと動きっぱなしなんでしょ?酒は俺が準備するからさ。」
「大丈夫ですよ!みなさんお仕事帰りなんですし、お正月くらいゆっくりしてください!」
にこにこと笑顔を浮かべた彼女はお雑煮の乗っていたおぼんを受け取り、キッチンの方へとぱたぱたと走っていく。
「うちの嫁よくできてるわ。」
「まだ嫁じゃねぇだろ。」
「モッチーは今のを見て嫁じゃねぇと思ったの?」
「思った。」
「イカレてんな。」
「イカれてんのはてめぇの頭だろクソがよ。」
三途はそう言うと、Aの作ったローストビーフを口いっぱいに頬張りもごもごと咀嚼した。イカレヤク中に言われたくね〜〜〜うるせ〜〜〜なんて声を胸の内に押さえ込み、蘭もまた、口いっぱいにローストビーフを頬張った。
「いや美味っ……」
「兄貴が頭抱えちゃったよ。」
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響 - 一気見しました!も…面白すぎます……!幼馴染3人が好きすぎるww 続き待ってます〜 (2022年7月19日 16時) (レス) id: 34c7fcf53f (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん(プロフ) - 面白すぎて一気に読んじゃいました!幼馴染3人がほんとに大好きで、七三パープルに笑い転げましたwwwww (2022年5月25日 3時) (レス) @page27 id: b3862cde2f (このIDを非表示/違反報告)
ミラ(プロフ) - 続編おめでとうございます!幼馴染やばw どうか夢主ちゃんの信じている人を信じてあげて😭 蘭ちゃんと夢主ちゃんを見るたびにほのぼのします!これからも更新楽しみにしてます! (2021年12月11日 18時) (レス) @page12 id: 23e9cd344d (このIDを非表示/違反報告)
ほーちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます(^^) (2021年12月6日 16時) (レス) id: 18b3c2d1e1 (このIDを非表示/違反報告)
赤とんぼ(プロフ) - 続編おめでとうございます! (2021年12月6日 0時) (レス) @page6 id: cb6eaa4562 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年12月6日 0時