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「お金をねじ込まない……!」
「うっわまじで50万あるんだけど……」
「うちの親でも一度に50万出そうなんて思考しないぞ……本家の人間だってしないんじゃないか……?」
「しらね……俺ら本家の人間と関わりほぼねぇし……」
本家がどうだのと話し始める彼らに突っ込もうかと口を開いたが、それよりも先にAが「蘭さん!?」とキッチンから飛び出した。
「みんなはともかく、私これ以上ないくらい皆さんにお世話になってるんですよ……!?」
「そんなの俺らだって世話んなってるじゃん。俺なんて毎日毎日感謝しっぱなしで……」
「兄貴の口から感謝なんて言葉が出るなんて思ってなかった……まじAちゃんに感謝。」
「灰谷兄弟がこんなこと口にするなんて思っても見なかったぜ……いいもんみられた。Aに感謝。」
「こいつらが仕事するのもAちゃんのおかげだ……Aちゃんに感謝……」
「胃薬の量減らしてくれてありがとう……Aに感謝。」
「今日も生きててくれて感謝。」
「以下同文。」
「以下同文。」
灰谷兄弟、三途、鶴蝶、九井、明司、佐野、望月と続いて彼女を拝むように手を合わせた。正直理由なんてなんでもいいのだ。彼女に貢ぎたい欲が半端でないのである。唯一の良心であり常識人である鶴蝶も、正月なんだし別にいいだろ、という気持ちが半分、自分じゃこいつらは止められない、という気持ち半分でここまで来ている。
しかし、彼女に感謝をしていることに関しては事実である。九井の胃の調子が最近すこぶるいいのだ。感謝感謝。
「でもこんな大金……」
「貯金すればいいだろ。貰えるもんは貰っとくべきだ、うん。」
「もしかして考えを放棄したな……?」
「弟たちの為に貯金しとっかな〜」
「んじゃ私も〜」
「俺もひとまず貯金だな。今のところ欲しいものもない。」
「Aちゃんも服買うなり貯めるなり好きに使いな〜俺たちがしたくてしてんだから。」
Aは少しムッとしたかと思うと、封筒で口元を隠しながら「……分かりました」と、どこか不服そうに呟いた。
「?どした〜Aちゃん。足んなかった?」
「違います。……なんか、蘭さんってやっぱり大人なんだな〜と思うとちょっと距離を感じてしまっただけです。どーーーせ私は子供なので。」
幼い子供が拗ねたように、ムッとしていじけるAに思わず口元を手で抑える。俺の女がクソほど可愛い件について。
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響 - 一気見しました!も…面白すぎます……!幼馴染3人が好きすぎるww 続き待ってます〜 (2022年7月19日 16時) (レス) id: 34c7fcf53f (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん(プロフ) - 面白すぎて一気に読んじゃいました!幼馴染3人がほんとに大好きで、七三パープルに笑い転げましたwwwww (2022年5月25日 3時) (レス) @page27 id: b3862cde2f (このIDを非表示/違反報告)
ミラ(プロフ) - 続編おめでとうございます!幼馴染やばw どうか夢主ちゃんの信じている人を信じてあげて😭 蘭ちゃんと夢主ちゃんを見るたびにほのぼのします!これからも更新楽しみにしてます! (2021年12月11日 18時) (レス) @page12 id: 23e9cd344d (このIDを非表示/違反報告)
ほーちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます(^^) (2021年12月6日 16時) (レス) id: 18b3c2d1e1 (このIDを非表示/違反報告)
赤とんぼ(プロフ) - 続編おめでとうございます! (2021年12月6日 0時) (レス) @page6 id: cb6eaa4562 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年12月6日 0時