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｢なんでそう思う。｣
重苦しい空気の中、口を開いたのは明司だった。
｢明司に連絡がいったのは、まじで焦りまくって考えた末だと思うんだわ。でもな、この前Aちゃんと会った時、俺思わず三途のヤクの話しちまって。｣
｢はぁ"！？てめぇ何やってんだよ！！｣
｢最後まで聞けクソジャンキー。……ほら、三途のヤクを兄貴がラムネに変えた話。薬って一応言ってはいたんだけどさ、そん時あの子何も聞かなかったんだよ。三途と面識あんなら、ちょっとは気になるもんだろ？｣
あの時の違和感はこれだった。あの後、どうにもその違和感が拭えなくて、しばらく考えていたのだ。あの子は話し上手だ。"薬"と聞けば｢春ちゃん、どこか悪いんですか？｣と心配そうに聞いてくるだろう。
疑うことを知らない彼女は、それがヤクだなんて思わないだろうし、それでなくとも一般人なら普通そんな考えには至らない。｢どこか悪いんですか？｣と聞かれれば、胃薬だとでも頭痛薬とでも誤魔化しようがつくのでそこまで心配することではない。しかし、彼女は聞かなかった。まるで、｢仕方ない｣とでも言うかのように。
｢で、竜胆はその話を今ここでして、何がしてぇの？｣
｢……Aちゃんの父親、まだ生きてる。｣
その言葉に、先程まで重苦しかった空気が少しばかり和んだ。父親にはまだ息がある。Aは反社だと気づいている可能性がある。もしも本当に気づいていたのだとして、答えはひとつだ。
｢Aちゃんが人に殺意を向けるなんてよっぽどの事だろ。｣
｢……あの父親だからな。殺意を向けられるのも仕方がねぇよ。｣
｢おっさん、なんか知ってんのか？｣
｢………今は言えねぇ。もうそろそろ着く頃だろ。｣
見慣れた風景。それは、蘭が一番見てきた風景だ。彼女の家が近い。ジャケット下の
｢俺と蘭でAの保護。竜胆と春千夜で処理班に指示を出せ。何事も無かったかのように、全て綺麗に元通りにさせろ。｣
｢言われなくてもしてやらァ。｣
｢父親は治療班に渡せ。"オハナシ"ができるように、ちゃんと治療してもらわねぇとな。｣
車が停まった。何度も見てきた豪邸。竜胆はスマホの通話を切って、そのスマホを明司へと渡す。家には鍵がかかっており、ピッキングに詳しい男がその鍵を開けた。
玄関を開ければ、もうすぐそこまで血の匂いが漂っている。
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鈴(プロフ) - 続編おめでとうございます！！ (2021年10月30日 10時) (
レス) @page10 id: df5b843723 (このIDを非表示/違反報告)
りく - 文章の構成などもお上手で先が読みたくなってしまいました。応援しています！ (2021年10月20日 14時) (レス) @page22 id: cb6ced8fcf (このIDを非表示/違反報告)
五条悟(プロフ) - なんかこのまま嬉々として蘭ちゃんが梵天に笑顔で入れそうだな。レオ君と共に (2021年10月16日 6時) (レス) @page4 id: e4f8a98264 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぽぽ(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！！これからも更新頑張って下さい(^^) (2021年10月16日 4時) (レス) @page4 id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも楽しく読ませていただきます！ (2021年10月16日 2時) (レス) @page2 id: 530da25b74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年10月16日 2時
