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灰谷蘭が女と二人きりになって襲わないなんて何事だ。天地がひっくり返ってもありえない。つまり天地がひっくり返ったわけだ。
やったどころかキスさえしてない。ただ手を繋いだだけ。腰を引いてエスコートをしただけ。今どき高校生だってもう少し進展すると思う。そもそも、蘭は大人である。その中でも、見た目もいい上に女慣れしているこの男は女の扱いなんて手馴れたもんだ。サラッとキスの一つや二つしていてもおかしくはない。正直それくらいなら許してたと思う。いや許してないわ。
しかし、この男。同じ布団にすら入っていない。同じ家に住んでいるのにも関わらず、だ。こいつは本当に灰谷蘭なのだろうか。三途は頭を抱えた。目の前の男は確かに灰谷蘭である。どこかで頭をぶつけたのか、それとも風邪か。中身が誰かと入れ替わったのだろうか。そうであってくれた方がまだ納得が行く。
｢……お前ほんとに灰谷蘭か？｣
｢ヤクのやりすぎでとうとう頭やられたか？あ、それは元からだったわ。｣
｢灰谷蘭だわ。歯ァ食いしばれやクソ紫が。｣
｢Aちゃんごめんな〜……俺ら焦りすぎたわ……｣
取っ掴み合いの喧嘩を始める二人をバックに、竜胆は一足先にソファーに座らされたAの前にしゃがんで、先程の自分の行いを謝罪していた。さすがは弟属性灰谷竜胆。相手が許してくれる謝罪をきちんと理解している。眉を下げて、まるで仔犬のような表情で彼女を見上げる。
｢大丈夫です……｣
｢おいてめぇ竜胆！！！Aに気安く触んじゃねぇ！！！｣
｢うるせぇドピンク。反省しろ。｣
｢Aちゃんごめんな〜こいつらが。｣
｢てめぇ一人だけ責任逃れしてんじゃねぇぞゴラァ！！！｣
｢俺なんもしてねぇもん。｣
未だに喧嘩を辞めない二人の頭上から、佐野が思いっきり足を振り落とす。ごすっと鈍い音を立てて地面に頭をぶつけた二人は蹴られた部分とぶつけた部分を擦りながら床に蹲った。
｢Aの前で喧嘩すんな。｣
｢いってぇ……頭割れてねぇ？大丈夫？俺の頭ある？｣
｢あるある。｣
｢さすがマイキー！！！｣
｢お前痛くねぇのかよ……｣
｢だ、大丈夫ですか……？｣
｢大丈夫だよA。ちゃんと手加減したから。｣
佐野はおろおろと心配そうに二人を見つめるAの頭を撫でる。｢お前は相変わらず優しいな｣と先程とは打って代わり、優しい笑みを浮かべて。
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鈴(プロフ) - 続編おめでとうございます！！ (2021年10月30日 10時) (
レス) @page10 id: df5b843723 (このIDを非表示/違反報告)
りく - 文章の構成などもお上手で先が読みたくなってしまいました。応援しています！ (2021年10月20日 14時) (レス) @page22 id: cb6ced8fcf (このIDを非表示/違反報告)
五条悟(プロフ) - なんかこのまま嬉々として蘭ちゃんが梵天に笑顔で入れそうだな。レオ君と共に (2021年10月16日 6時) (レス) @page4 id: e4f8a98264 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぽぽ(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！！これからも更新頑張って下さい(^^) (2021年10月16日 4時) (レス) @page4 id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも楽しく読ませていただきます！ (2021年10月16日 2時) (レス) @page2 id: 530da25b74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年10月16日 2時
