・39 ページ39
｢お前らも送ってってやろうか？｣
｢いえ、結構です。Aに何もしなくてもこっちに手出されたらたまったもんじゃないので。｣
｢正直なのはいいことだけどな、なんもしねぇわ。｣
警戒心があるのはいいが、最近のガキは生意気で仕方ないな、と蘭はため息を着く。
｢Aちゃんの友達に手出すわけねぇだろ？それに、お前らみたいななんもねぇガキに手出したって得ねぇよ。不利しかねぇわ。｣
｢それでも、俺たちはいいです。こんな高い車に乗ってこいつらが汚しでもしたら責任取れないんで。｣
｢こいつらって俺らか？｣
｢お前らしかいないだろバカップル。｣
｢まじ失礼なんだけど。｣
｢そ？んじゃいいや。Aちゃん、帰ろうか〜♡｣
｢あ、はい！じゃ、みんな明日ね！｣
Aがにこにこと笑顔を浮かべて手を振ると、先程までの警戒心はどこへやら、彼らも笑顔を浮かべて手を振り返した。全く俺の彼女人気者で困るんだけど。まぁ可愛いから仕方ないよね。なんて心の中で納得しながら、駐車場から車をだす。
｢いい友達じゃん。｣
｢はい！小学校の頃からすっごく仲良しなんです！｣
｢仲良しなのはいいけど、あんま距離近すぎないでね？俺妬いちゃう。｣
｢え……蘭さんって嫉妬とかするんですか……！？｣
｢Aちゃん、俺も一応人間だから人らしい感情持ってんだよ。反社にも一応そういう心あるんだわ。……ちょっと聞いてる？｣
｢はい！聞いてます！｣
元気よくそう返事をした彼女は、頬を両手で覆い隠してんふふ、と嬉しそうに笑った。嫉妬されるのがそんなに嬉しいのか。そんな疑問が頭をよぎるが、まぁ可愛いからいいや、と蘭も頬を緩ませた。
｢あ、聞いてください！｣
｢はいはい？なんでしょ〜？｣
｢ゆう……あ、あの背の高い子！｣
｢うんうん。｣
｢あの子すっごく女の人にモテるんですけどいっつも変な人に絡まれてて………｣
そういう君も大概変なのに好かれるけどね、という言葉を押さえ込み、Aの話に耳を傾ける。この前付き合った彼女は害悪地雷系だったらしいとか、本庄と槇島が二人仲良く服装検査に引っかかって生徒指導の教師から逃げ回っていた話。彼女がとても楽しそうに友人の話をするものだから、思わず目が話せずにいると｢事故るので前向いてください！｣と怒られてしまう。
可愛すぎるのが悪いと思う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1869人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鈴(プロフ) - 続編おめでとうございます！！ (2021年10月30日 10時) (
レス) @page10 id: df5b843723 (このIDを非表示/違反報告)
りく - 文章の構成などもお上手で先が読みたくなってしまいました。応援しています！ (2021年10月20日 14時) (レス) @page22 id: cb6ced8fcf (このIDを非表示/違反報告)
五条悟(プロフ) - なんかこのまま嬉々として蘭ちゃんが梵天に笑顔で入れそうだな。レオ君と共に (2021年10月16日 6時) (レス) @page4 id: e4f8a98264 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぽぽ(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！！これからも更新頑張って下さい(^^) (2021年10月16日 4時) (レス) @page4 id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも楽しく読ませていただきます！ (2021年10月16日 2時) (レス) @page2 id: 530da25b74 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年10月16日 2時
