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｢よぉ！武臣！｣
真っ黒い短髪の髪をした男が、目元に傷のある男と肩を組みながら、ちらりと八重歯をちらつかせて笑ってみせる。
｢正和、おせぇよ。｣
｢悪ぃって。｣
｢……その嬢ちゃんがお前の妹か？｣
｢おう！｣
そんな彼の反対の腕に抱かれていたのは、少し暗めのネイビー系の髪をした小さな女の子だった。まだ一歳になって間もないというその子は、彼の腕の中で首を傾げながら、くりくりとしたその目で武臣を見ていた。
｢その子、正和の妹なの！？｣
｢そうだぞ〜女の子同士仲良くしてやってくれよな！千壽！｣
白髪がさらりとなびく。武臣の妹である千壽は自分より小さなその子供に大興奮だったが、真ん中の兄である春千夜は小さすぎるその子供に少し戸惑い気味だ。一つしか変わらない千壽の幼少期の頃のことなんてほとんど覚えていない。むしろ、一つしか変わらないのでそこまで体格差を気にしたことがなかった。
正和は、千壽たちにも顔が見えるようにその場にしゃがんだ。
｢A〜？お名前言えるかぁ？｣
｢ん！A、でち！｣
｢でち！｣
舌っ足らずのその言葉を真似するかのように正和が繰り返せば、Aはきゃっきゃと楽しそうに笑った。
｢まだ歩けねぇのか？｣
｢いや、歩けるには歩けんぞ。よちよち程度。｣
｢A！ジブンは千壽！｣
｢せー、じゅ、？｣
｢せ！ん！じゅ！｣
｢せーじゅ！｣
舌っ足らずの中でも自分の名前を繰り返してくれるのがよほど嬉しかったようで、千壽は嬉しそうに飛び跳ねた。
｢俺は武臣だ。臣って呼んでくれ。｣
｢おい！｣
｢おいはちょっとまずいな……お、み、｣
｢お、き！｣
｢……遠いなぁ……｣
｢そのうち呼べるようになるって！｣
｢春千夜、お前も挨拶しろ。｣
｢いや……｣
｢なに緊張してやがんだ。｣
武臣に背中を押された春千夜は、少し気まずそうに彼女を見た。自分の口元にある傷。兄は大丈夫だったようだが、自分はどうだろうか。兄よりも主張の激しい両方の口の端にあるその傷に怯える子供も多く、学校でからかわれる事も多かった。
まぁ、泣かれたら泣かれたで別にいいか。そんなことを考えていると、その小さな少女はきらきらと目を輝かせて春千夜へと手を伸ばした。
｢きらきら！！！｣
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鈴(プロフ) - 続編おめでとうございます！！ (2021年10月30日 10時) (
レス) @page10 id: df5b843723 (このIDを非表示/違反報告)
りく - 文章の構成などもお上手で先が読みたくなってしまいました。応援しています！ (2021年10月20日 14時) (レス) @page22 id: cb6ced8fcf (このIDを非表示/違反報告)
五条悟(プロフ) - なんかこのまま嬉々として蘭ちゃんが梵天に笑顔で入れそうだな。レオ君と共に (2021年10月16日 6時) (レス) @page4 id: e4f8a98264 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぽぽ(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！！これからも更新頑張って下さい(^^) (2021年10月16日 4時) (レス) @page4 id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも楽しく読ませていただきます！ (2021年10月16日 2時) (レス) @page2 id: 530da25b74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年10月16日 2時
