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蘭が珍しく自分で車を出したかと思えば、その助手席から出てきたのは小柄の女。小柄ではあるものの、漂う上品さは大人顔負けだった。制服を着ているので高校生だということしか分からない。

借金のカタに連れてこられたのか、これから売られるのかと思ったが、そうではなさそうだ。





「足元気をつけて。」

「ありがとうございます!」





わざわざ助手席の扉を開け、車から降りる彼女にわざわざ手を差し出す蘭に部下たちはぽかんと開いた口が塞がらないわこんなにも優しい表情をした彼を見た事があっただろうか。

女であっても容赦なく殺すし、今まで女に対して興味を示しているところなんて見たことがなかった。しかし、今そこにいるまだ未成年であろう少女に向けられた目線は明らかに普通のものではなかった。愛おしいものを愛でるような、そんな眼差し。





「こんにちは〜」

「あ、うっす……?」





まさか声をかけれると思っていなかった男たちは、小さくそう返した。ぞわりと背筋が凍る。男たちが目を向けたのはギロリとこちらを睨みつける蘭で、今にも殺しにかかってきそうだった。しかし、次の瞬間にはにこりと笑顔をうかべる。





「うっすじゃねぇだろ〜Aちゃんが挨拶してんだからちゃんと返せや。ごめんな〜不躾な奴らで。」

「いえいえ!私こそすみません、突然声掛けちゃって……」

「い、いえ、……」

「こんな奴らにそんな気遣いしなくていいぜ〜それより、早く行こ。アイツらが早く連れて来いってうるっせーの。」

「そうですね!それじゃあ、失礼します!」





彼女はにこにこと笑顔を浮かべながら軽く会釈すると、蘭と手を繋いでその場を離れていく。何かを一生懸命話す彼女に、蘭はうんうんと優しい笑みを浮かべながら相槌をうつ。そんな姿を見たことなんて梵天(ここ)に来てから一度もなかった部下たちは、またも口をぽかんと開けていた。





「あのガキ……まさか蘭さんの女……?」
「以外にねぇだろ………蘭さん、とうとう未成年にまで手ぇ出したんか……」
「あの子も可哀想になぁ……まぁ、殺されなきゃいい方だろ。」

「あの人あんな優しい顔出来たんだな。普段からやりゃいいのに。」
「本命だったりしてな。」
「ははっ!んなわけねぇだろ!」




何も知らない部下たちは彼女を蘭の新しい遊び相手だと思っている様子だった。実際、彼女にズブズブにハマってメロメロに惚れ込んでいることは、近いうちに知ることになる。

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(プロフ) - 続編おめでとうございます!! (2021年10月30日 10時) (レス) @page10 id: df5b843723 (このIDを非表示/違反報告)
りく - 文章の構成などもお上手で先が読みたくなってしまいました。応援しています! (2021年10月20日 14時) (レス) @page22 id: cb6ced8fcf (このIDを非表示/違反報告)
五条悟(プロフ) - なんかこのまま嬉々として蘭ちゃんが梵天に笑顔で入れそうだな。レオ君と共に (2021年10月16日 6時) (レス) @page4 id: e4f8a98264 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぽぽ(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!!これからも更新頑張って下さい(^^) (2021年10月16日 4時) (レス) @page4 id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも楽しく読ませていただきます! (2021年10月16日 2時) (レス) @page2 id: 530da25b74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年10月16日 2時

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