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「……年下とは思えないんだけど。」
「中学生ってなんだっけ………?」
「胸筋だ……!」
「………もういい?」
加茂がうっかり口を滑らせてしまったことから、見せろ見せろと騒いだ彼女たちにシャツを剥ぎ取られ、かれこれ15分は上裸のままだ。Aはもう半分諦めてスマホをいじりだした。
庵も最初こそ呆れていたが、いつの間にか彼女らと共にそれを観察し始めた。
「でもほんと、いい身体してるわね……訓練頑張ってるのもあるだろうけど、筋肉着きやすいのかしら…」
「父さんがそうだからね。」
「おイ、そろそろ服着せてやらないと風邪を引かせてしまうゾ。」
「あとちょっと…あ、写真撮ってもいい!?」
「いや…いいけどさ…………楽しいかい?」
「楽しい!」
「めっちゃ目の保養。」
「そうそう、目の保養よ。」
「葵くんがいるだろう…」
「あれは違うから。」
西宮の言葉に、どう違うのかとAにはよく分からなかったが、背筋伸ばして!こっちむいて!と指示をされて余計に疲れてしまう。やっと服を着れたのはその10分後だ。
「…なんというか………すまなかった。」
「ほんと次からやめてくれ………」
「コーヒー飲みます?」
「……飲む。」
疲れ果てたAとは裏腹に、大満足の彼女たち。Aはそれをちらりと見たあとに、まぁ喜んでいるならいいか、と小さくため息をついた。
「ありがとね、あの子たちめちゃくちゃ喜んでるわ。私もいい写真撮れたし。」
「歌姫ちゃんが一番ノリノリだっただろ……」
「やっぱ夏油の血は抗えないわね……」
「話聞いてる?」
「Aくん!みんなでトランプしましょう!何したい?」
次はトランプか、と思ったがそういえばするって約束した気もするなと昼間の会話を思い出す。
「なんでもいいよ。霞ちゃんの好きなやつ。」
「え、わ、私…!?えーと……じゃあババ抜き!」
「普通ね。」
「ちょっと、そういう事言わないでよ!」
「歌姫ちゃんもやろう。」
「そうね、たまにはいいかも。」
多少大変ではあるが、こういうのもたまにはいいかもしれない。しかしその数日後。どこから流れてきたのか、噂を聞いた釘崎にシャツを剥ぎ取られる事になるとは思ってもいなかった。
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零落(プロフ) - 久々に占ツクに戻ってきたら超良作に出会って、一気に最新話まで読んでしまいました。話の途中で何度も笑ってしまったり、感動したり…もう最高です!素敵な作品をありがとうございます。これからも更新楽しみにしております。 (2021年6月4日 6時) (レス) id: 35493f6139 (このIDを非表示/違反報告)
方言男子 - やべ、性癖に刺さった (2021年5月26日 18時) (レス) id: b75236f17d (このIDを非表示/違反報告)
海洋生物(プロフ) - 続編おめでとうございます!成長した夢主くんかっけぇ!あと面白い!これからも頑張ってください! (2021年5月25日 7時) (レス) id: c21e60aa61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年5月25日 5時