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「随分疲れた顔してるな。」
「硝子ちゃん……お疲れ様。解剖終わり?」
「あぁ。ついさっき2件な。今日はこれで終いだ。」
君もおつかれ、と背中を叩かれる。昔はよく彼女に遊んでもらっていたものの、大きくなっていけばそれは少なくなっていった。
「で、何してたんだ?」
「あぁ…仮眠を取ろうかと思ったんだけど……2時間ちょっとくらいしか寝れないからやめとこうかと思ってね。その間に、今度の生徒会役員会議の資料でも作ろうかと…」
「…きみ、少し詰めすぎ。」
「え、そう?」
「君みたいにキリキリ働く中学生も珍しいな。今は成長期なんだから、良質な睡眠を取るのも大事だよ。」
「んー……」
「お、ちょうどいい所に。おーい、虎杖〜」
彼女は少し離れたところを歩いていた虎杖に手招きをすると、彼は首を傾げながらこちらに走ってくる。
「家入せんせーとAじゃん!なしたん?」
「こいつ、仮眠室に連れて行ってやってくれないか。私は伊地知にスケジュールの調整を頼んでくる。」
「いや、大丈夫だよ。」
「だめだ。次の任務は明日に回して、夕方の任務までゆっくり寝ときな。じゃ、虎杖よろしく。」
家入はひらひらと手を振って、その場を後にする。まずは伊地知を探すところからだ。
「なに、どしたん?」
「あぁ、実は、この後の任務まで2時間くらい寝ようかと思ってたんだけど、生徒会役員会議の資料作りの時間に回そうかと思って。」
「そりゃ寝ろって言われるわ。」
「はは…」
「お前すごいな〜俺より年下なのにめちゃくちゃしっかりしてる。」
「普通だよ。術師は仕事が多いからね。時間厳守だ。」
「それのこと言ってんだけど。」
医務室に向かいながらそんな話をする。歳はそう変わらないが一応年下で、それでも自分よりもずっと大人に思える。
「確かに、Aのいい所って努力家なとこだけどさ、あんま無理すんなよ?」
「してるつもりないんだけどなぁ…」
「ほら、仮眠室着いたから、ちゃんと寝ろよ?」
虎杖はわしゃわしゃとAの頭を撫でて、おやすみ!と元気よく言ったあと、その場を走って去っていった。
Aは撫でられて崩れてしまった髪を直しながら、小さく笑った。
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零落(プロフ) - 久々に占ツクに戻ってきたら超良作に出会って、一気に最新話まで読んでしまいました。話の途中で何度も笑ってしまったり、感動したり…もう最高です!素敵な作品をありがとうございます。これからも更新楽しみにしております。 (2021年6月4日 6時) (レス) id: 35493f6139 (このIDを非表示/違反報告)
方言男子 - やべ、性癖に刺さった (2021年5月26日 18時) (レス) id: b75236f17d (このIDを非表示/違反報告)
海洋生物(プロフ) - 続編おめでとうございます!成長した夢主くんかっけぇ!あと面白い!これからも頑張ってください! (2021年5月25日 7時) (レス) id: c21e60aa61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年5月25日 5時