自称・サラリーマン(反社)とJK【東リべ】

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照れるな、顔を赤らめるな、罪悪感に蝕まれそうになるから。目の前で恋する乙女の顔をする彼女を前に、痛む胸を押さえた。兄貴ダメだ、この子は諦めろ。綺麗すぎるから。今まで散々手を汚してきたがこの子だけは汚したくないと心の底から思う。こんな子が将来妹になるかもしれないって？やめてくれ純粋すぎて申し訳ない。

いや、嬉しい。確かにこんな子が姉になるのだとすれば文句の付けようがない。付けられない。見るからに教養がなってるし、話も上手いし、何より兄の御機嫌を最大限に良くしてくれるしそれを長続きさせてくれる。ただ何がダメなのかと問われると、その純粋さだ。ダメなわけではないが、綺麗すぎるどうしようと頭を悩ませてしまう。

しかし、竜胆は何も知らなかったかのように、何も焦っていませんよというかのように｢やっぱり、そうだと思った。｣なんて涼しげに答えてみせた。騙されるな、そいつは今頭の中で悶えている。





｢すみません……｣

｢なんで謝んの？いいじゃん、俺応援するよ。｣





謝るな。むしろ謝らせてほしい。いや、謝罪させろ。今なら人生初渾身の土下座披露できるから試しにやらせてくれ。なんてバカみたいなことを言えるはずもなく、"応援する"などと言ってしまったが、本当に応援していいものだろうか。Aの恋は応援したいが、相手が兄であるのが何よりも複雑だった。

これがもし鶴蝶だったら。鶴蝶だったら百歩譲って応援していただろう。面識はないらしいがこの二人なら応援する。いいや出来る。兄貴と比べろ、何億倍もマシだわ。俺が認める。認めねぇやつ前に出ろ、全身の骨折ってやる。ほかと言えばヤク中と金の亡者とヤンデレ拗らせそうな奴しかいない。それで言うなら望月や明司もアリだが、望月は如何せん見た目が厳つすぎる。明司は年齢が行き過ぎている。でも任せられるかと言われれば任せられる。

なんで兄貴なんだよ。もっと他のまともな男探してくれよ。とは言えない。なぜなら相手が恋する乙女だから。






｢でも、蘭さんってやっぱり歳下には興味ありませんよね……？｣

｢……さぁ？兄貴の恋愛事情把握してないからなぁ……アタックあるのみだと思うわ。｣





嘘だ。なんならもう既に惚れ込んでいる。それはもう手が付けられないほど。しかし、もしここで｢兄貴、もうAちゃんの事好きだよ｣なんて暴露してみたとしよう。明日の朝日は拝めません。

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