・39 ページ39
しばらくして、奥の部屋の扉が開き、佐野と明司に続いて稀咲が部屋から出てくる。その姿を捉えた途端、Aは裸足なのも関わらず黒川の膝から飛び降りて一目散に稀咲へと抱きついた。
｢てっちゃん久しぶり〜♡｣
｢……お嬢、いきなり抱きつくな。｣
｢てっちゃん力ないからいきなり抱きつかれたら耐えらんないもんね〜♡可愛いなぁよしよし♡｣
｢撫でるな……！！｣
稀咲に抱きついたまま、｢よしよ〜し♡｣なんて頭を撫でるAに抵抗はするものの、無理やり引き剥がしたりはしない。もう諦めているのか、そもそも悪い気がしないのか。
｢A、靴はけ。｣
｢……は？履いてないのか？｣
｢うん、履いてな〜い。｣
そう言われて足元を見ると、確かに靴を履いていない。呆れたような様子の鶴蝶の手には、いつもより少し低めのヒールがあった。
｢そーいや、なんかてっちゃん小さくなった？｣
｢お前がでかくなったんだバカ。｣
お高そうな革靴を履いている稀咲と、裸足のA。稀咲は少し踵があるわけだが、それがあってAと同じくらいの身長になる。最後に会ったのは少年院に入る一年も前なので、稀咲よりも少し小さい位だったような気がする。しかし、今はどうだろう。どう見ても稀咲よりもAの方が高いわけだ。
｢あたしもうすぐ170なるもんね♡｣
｢姫さんはもう伸びねぇんじゃねぇか？｣
｢んなもんわかんないじゃーん。どー思うてっちゃん♡｣
｢もう伸びなくていい……｣
｢それ以上伸びてどうすんだバカ。｣
｢Aはそのままが可愛いよ。｣
黒川も佐野も、自分より既に背の高いAに少し悔しい気持ちがあるようだ。兄の蘭は言わずもがなの長身で、もう一人の兄である竜胆も兄ほどではないが高身長である。父親も母親もモデル級にスタイルも良く、背も高かった。その血を受け継いでいるのだから、背が高くならないはずがない。
｢あたしの目標は175なんだけどな〜｣
｢そんな伸ばしてどーすんだァ？お嬢？｣
｢喧嘩する時でけぇ方がリーチ取りやすいじゃん♡｣
｢ばはっ♡最高かよォ〜♡｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1014人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
自律思考固定砲台 - 梵天大好きな私の為に作られたのかと思った…｡作者様、マジで神じゃん!? (2021年9月27日 22時) (
レス) @page38 id: 426cb43a7c (このIDを非表示/違反報告)
わわるこ(プロフ) - 夢主ちゃんがマジで好み過ぎる… 主様の作品大好きです！応援してます！ (2021年9月26日 12時) (レス) id: e592c4a1c9 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです！応援しています！ (2021年9月20日 13時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
ma(プロフ) - 灰谷兄弟の妹めちゃくちゃいい作品に出会えて嬉しいです！春千夜大好きなので梵天絡みまじ好きです！落ち楽しみにしてます！！これからも更新頑張ってください^_^応援してます！ (2021年9月16日 13時) (レス) id: 70f00aa1ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年9月16日 2時
