闇医者-2【東リべ】 (ページ23)

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昔から懐に入るのがうまかった。だからこその交友関係だろう。生憎、春千夜はそういった人間関係を上手くどうこうしようとは思わなくて、交友があるのも近所の人間がほとんどだろう。

その近所付き合いも上手くいっているのは、兄のサポートのおかげだった。

｢はいオムライス〜｣

Aは要領がいい。だからこの1年ちょっとで料理は格段に上手くなったし、最近はちょっと凝ったものを作るようにもなってきた。

それがまた美味しくて、下手なファミレスで出てくる料理なんかよりもずっと美味しい。今人気のこのお店！なんてテレビで紹介されてるものよりも美味しいかもしれない。そこまで言ってしまうのは春千夜がブラコンなだけかもしれないが。

｢兄ちゃん、個人病院経営すんの？どっかで働くの？｣

｢ん〜……どうすっかなぁ……ま、なったら決めるわ！｣

彼はそう言って、大きな口でオムライスを食べる。

｢今日は夜バイト入ってるから先寝とけよ？｣

｢ん、わかった。｣

｢戸締りはしてくから。くれぐれも外に出ないように。｣

｢出ねーよ。｣

知ってる。そう言って、彼は白い歯を見せながら笑った。彼はこうして春千夜をからかう事も多々あった。普段は大人びでいるし、本当に高校生かと疑う頭脳と交友関係を持ってしているが、こういうところで年相応な姿を見せる。

ちゃんと、男子高校生だ。

｢そういや兄ちゃんの部屋でエロ本見つけた。｣

｢は！？｣

｢うそ。｣

｢そういう心臓に悪い嘘マジでやめろ。｣

｢あるの？｣

｢んなもんねぇーーーよ！！！ガキがんな事気にしてんじゃねぇ！！！｣

｢(あるんだ。)｣