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「もー!また靴下裏返しで入れてる!」
全く……なんて呟きながら洗濯物を干す。多忙な特級呪術師の貴重な非番。同じく休みである伏黒が寝ている間に朝食の準備をしてそれを温めている間に洗濯物を干す。
卒業してすぐ引っ越して、それからしばらくして籍を入れたわけだが、やっていることは結婚前と何一つ変わらない。それでも、同じ場所に毎日帰ってきていると実感は湧くものだ。
「恵くーん。起きて〜」
「ん"〜………ごふん………」
「毎回同じこと言わないで。」
無理矢理布団を剥ぎ取り、はい!!起きて!!と耳元で叫べばやっとこさ飛び起きてくれる。
「はいおはよう〜」
「お前なぁ……耳元で叫ぶのはやめろ……」
「恵くんもいい加減靴下を裏返しのまま洗濯機に入れるのやめてね?」
「………悪い。」
何度言っても治らないそれは、そろそろ諦めた方がいいのだろうかと最近は思ってしまう。顔を洗っている伏黒をまつ間に味噌汁を器によそって、ご飯と一緒に並べる。
焼き魚に卵焼き、典型的な日本の朝食だろう。
「「いただきます。」」
時間が合えば、必ずこうして二人揃って朝食を食べる。料理の担当は次の日の予定やその日の予定によって異なるが、大体はAの担当になる。結婚してもそれは変わらない。
「んまっ。」
「そ?良かった〜」
「お前って卵料理上手いよな。」
「ぱぱがよく作ってたから自然とね。」
「なるほどな……」
朝食を食べ終えれば、学校に行く準備をする。任務がない非番の日。とは言ったものの、その日は授業が入っている。
完全オフでないのは残念だが、任務がないだけ幾分かマシである。緊急任務が入ってしまえば話は別だが。
「忘れ物ないな?」
「なーい。」
「目隠しは。」
「あ、忘れてた。」
「忘れ物してんじゃねーか。」
あははーと小さく笑いながら、玄関先の鏡の前で目隠しをつける。目隠しにした事に特に理由はないが、五条が卒業後にお揃いにしよ♡と彼女に特注で作った目隠しを渡したのが始まりだった。
それこそ、彼女にピッタリのサイズだったのが気持ち悪いと周りにも彼女にも引かれていたが、五条からやりかねないなと今では呆れられている。
「よし、いいよ〜」
「じゃあ行くぞ。」
ガチャッとドアノブを下げる音とともに、二人揃って家を出た。
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ぷぅ(プロフ) - 凄く面白くて一気に全部読んじゃいました!!今後の更新についての作品が見れていないので、どう言う状況なのか分かりませんが、続きが更新されるのを楽しみに待っています(^^) (7月17日 0時) (レス) @page18 id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
thmrt1214(プロフ) - とても素敵でおもしろ作品だと思います!続きを待ってます! (2022年4月5日 20時) (レス) id: c58d97a9b4 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - アンチコメなどは気にせずに頑張ってください (2022年3月10日 21時) (レス) id: 48f3bd005d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - 私この作品好きです!無理のないよう頑張ってください!待ってます! (2021年12月3日 19時) (レス) @page16 id: ccfc63a9dd (このIDを非表示/違反報告)
もやし - いっつも見てます!体壊さない程度に頑張って下さい!!応援してます!! (2021年8月19日 17時) (レス) id: e2e99622db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年8月12日 1時