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「はぁ〜〜〜………A先生今日もかっこいい……♡」
教室の窓から、宮瀬はうっとりとした表情でグラウンドを眺めていた。そのグラウンドでは、三年生と共に演習に励むAの姿があった。いつもよりも少しラフなジャージにサングラス。時折退屈そうに小さな欠伸をする姿に「あ、かわいい」なんて呟いてしまう。
「まぁ〜た宮瀬が先生に見惚れてるよ。」
「課題が終わらないから手伝ってくれって宮瀬が言い出したんだろ?」
「あともうちょっとだけ!」
一向に窓から離れない宮瀬に「これは無理だな」とテキストを閉じた。彼女はAに惚れているのかと聞かれると少し難しいらしい。惚れていると言うより憧れている。恋をしているようで、少し違う。しかし傍から見れば恋する乙女のようだった。
彼女にとってこれは推し活らしい。推しを応援するのに恋もくそもない、惚れているのはそうだがそれとこれとはまた別、なのだそうだ。詰まり彼女は俗に言うリア恋なのだろう。
「お前ら、何時までここにいる気だ。この後お前ら演習だろ。」
「お、伏黒先生!」
「ねぇねぇ、私たちの演習ってA先生!?」
宮瀬が目を輝かせながらそう聞くと「残念ながら五条先生だ」と伏黒が言った。宮瀬はあからさまに肩を落とす。これは今日の演習使い物にならないに違いない。
「えぇ〜……」
「手合わせしてくれって頼んでみたらどうだ。彼奴なら頷いてくれるだろ。そんな事より、さっさと準備してグラウンドいけ。」
伏黒はため息混じりにそう言いながら教室を出ていった。宮瀬達は渋々行動を起こし、更衣室でジャージへと着替える。頼むにしても、任務だってある上に自分達よりもずっとハードな演習をしている三年生の後に手合わせなんてしたくないに決まっている。断られるかもなぁなんて考えていると「おぉ、二年生。今から演習?」と涼しい顔をしたAがひらひらと手を振っていた。
「あ、A先生!」
「ん〜?何?」
Aは軽く首を傾げた。断られた時は断られた時。五条で我慢をしよう。
「先生、この後の演習手合わせしてください!」
「いいよ〜」
「……え、良いんですか!?」
「別にいいよ?可愛い生徒の頼みだしね。」
Aは笑みを浮かべたあと「さ、グラウンド行くよ〜」と踵を返した。「可愛いだって!!可愛いだって!!!」隣にいた細池の肩を力強く叩く。
やっぱり先生は世界一かっこいい。
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ぷぅ(プロフ) - 凄く面白くて一気に全部読んじゃいました!!今後の更新についての作品が見れていないので、どう言う状況なのか分かりませんが、続きが更新されるのを楽しみに待っています(^^) (7月17日 0時) (レス) @page18 id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
thmrt1214(プロフ) - とても素敵でおもしろ作品だと思います!続きを待ってます! (2022年4月5日 20時) (レス) id: c58d97a9b4 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - アンチコメなどは気にせずに頑張ってください (2022年3月10日 21時) (レス) id: 48f3bd005d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - 私この作品好きです!無理のないよう頑張ってください!待ってます! (2021年12月3日 19時) (レス) @page16 id: ccfc63a9dd (このIDを非表示/違反報告)
もやし - いっつも見てます!体壊さない程度に頑張って下さい!!応援してます!! (2021年8月19日 17時) (レス) id: e2e99622db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年8月12日 1時