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あの後仕事を無理やり片した伏黒は補助監督に頼んで大至急家に向かってもらうことになった。もちろんその道中でも残りの仕事を終わらせるためにパソコンと睨めっこ状態だ。なかなかのオーラを放つ伏黒に、補助監督も冷や汗がダラダラである。
こんな日に限って伊地知も花宮も南野も任務に術師を送迎中のため不在。こういう時は彼になれているであろう彼らが一番効果的だと言うのに。
「ふ、伏黒術師。着きました。」
「ありがとうございますお疲れ様でした。」
いつも丁寧な物言いの伏黒だったがらありがとうございますとお疲れ様でしたを一息でいいながら光の如く、なかなかに早いスピードでパソコンを片しながら車を降りた。なにかよっぽどの用があるんだろう、と補助監督は何も聞かなかったが。と言うより、聞けなかったの方が正しい。
一方の伏黒はエレベーターを待っている時間でさえも煩わしいようで、さっきから貧乏揺すりが止まらない止まらない。いっその事鵺で上まで昇ってしまおうかと考えたが、そんな事をしてあとが面倒なのは自分だ。やっと着いたエレベーターに乗り込み、伏黒は何度も閉まるのボタンを連打する。エレベーターの中でも貧乏揺すりは止まらないままだ。
2人はそれなりに、と言うよりも給料がとてもいい。その上お金は困らないほどある。当たり前だ。禪院家当主と五条家の御子女様である。そのため住んでいる場所もなかなかにいい。最上階に到達すれば、しばらく歩いた先にある扉に鍵を差し込んだ。ワンフロアのそこは廊下が無駄に長ったらしい。それさえも今はストレスだ。
「ただいま。帰ったぞ。」
そう声をかけると、奥の方で扉の開く音がした。急いでリビングに向かって見ると、同じく、寝室からでてきたであろうAの姿があった。
「恵くん、お帰りなさい。」
「ただいま。体調どうだ?」
「朝よりかは。薬も効いてきたし。」
「そうか。ならいい。」
「ごめんね、仕事早く終わらせてきてくれたんでしょ?パパたちが今日の恵くんはやばかったって言ってたよ。」
「………あの人まじで余計な事しか言わないな。」
明日会ったら絶対殴ろう。心の中でそう固く決意した。そう、それはもう硬い決心だ。思いっきりグーでいってやる。
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「……なんか寒気が……?」
「誰かに狙われてんじゃないか?悟恨み買いやすいし。」
「パンダのそれは悪意しかないよね?僕の心ダイレクトに狙ってるよ。」
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ぷぅ(プロフ) - 凄く面白くて一気に全部読んじゃいました!!今後の更新についての作品が見れていないので、どう言う状況なのか分かりませんが、続きが更新されるのを楽しみに待っています(^^) (7月17日 0時) (レス) @page18 id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
thmrt1214(プロフ) - とても素敵でおもしろ作品だと思います!続きを待ってます! (2022年4月5日 20時) (レス) id: c58d97a9b4 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - アンチコメなどは気にせずに頑張ってください (2022年3月10日 21時) (レス) id: 48f3bd005d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - 私この作品好きです!無理のないよう頑張ってください!待ってます! (2021年12月3日 19時) (レス) @page16 id: ccfc63a9dd (このIDを非表示/違反報告)
もやし - いっつも見てます!体壊さない程度に頑張って下さい!!応援してます!! (2021年8月19日 17時) (レス) id: e2e99622db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年8月12日 1時