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天内理子が伏黒甚爾に殺された。天元との同化は失敗に終わり、彼女の遺体を今五条達が持ち帰っていると言うことでAはその帰りを待っていた。
「五条……!?」
目の前にいる五条に、彼女は目を見開いた。何かが違う。そう思った。
「先生………」
「………今回は、相手が悪すぎた。君たちの責任じゃないよ。全てを託しすぎた我々の責任だ。
今日はもう、ゆっくり休みな。」
「………はい。」
夏油はそう返事をしながら小さく頷いた。彼女の言葉に、五条は頷くわけでも何か返事をするわけでもなかった。五条から天内理子の遺体を受け取り、そのまま解剖室へと向かう。
「家入。解剖室に来てくれるか?私も手伝うから。」
「……あいつらは?」
「寮に戻ったと思うよ。……さ、早く行こう。」
家入を連れて解剖室に向かうと、彼女を台に寝かせる。まだ幼い少女だと言うのに、命を狙われてそして殺された。
「……人間は惨いね。」
「………珍しいね、先生がそんなこと言うの。」
「口に出さないだけで、常に思っているさ。」
そう言って彼女は手袋を付ける。彼女の両親は医療関係者だった。ある程度の知識は身についており、学生時代から解剖班と共に解剖作業を行っていた。今後は、ほとんどが家入の担当になるだろうが。
「綺麗な臓器は残すから傷つけないようにね。ここから切るんだ。」
「こう?」
「そうだよ。」
タバコも吸わない、お酒も飲まない。綺麗なままの臓器。まだ小さくて、これから成長し続けるであろう身体。
やはりあの時彼らの方について行くべきだった。今更後悔しても遅い。彼らなら大丈夫だと、根拠もないのに勝手に託した。思えば思うほど、後悔ばかりが次から次へと産まれてくる。
「………先生?」
「ん?」
「次は?」
「……あぁ、そうだね。」
今は解剖に集中しないと_____
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三隣亡 - こういうの待ってました!!これからもよろしくおねがいします! (2021年7月14日 2時) (レス) id: 63aa19421a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年7月14日 0時