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「A!!!お前また帳降ろさなかったな!!!」
「私じゃないって!!!」
高専の廊下を駆け抜けるのは、必死な顔で逃げ惑うAとそんな彼女を追いかける鬼の形相の夜蛾。またいつものやつか、と周りは呆れ笑いだ。
どうしてかくだらないところばかり五条に似てしまいこちらは困って仕方ないわけだ。
「それぱぱだよぱぱ!!」
「お前一人の任務に五条がいるかぁ"!!」
も〜……!とAは嘆いた後、目の前にあった窓に目をつけた。ちょうどよくそこだけ開いていたので、窓の縁に足をかけるとそのまま飛び降りた。そう、文字通り飛び降りたのだ。十分に高さのあるその場所から飛び降りれば並の人間なら大怪我だ。
しかし、彼女の場合このくらいの高さで怪我をすることはない。ガンッ!と音を立てて柱を蹴り、そのままくるっと後転すると綺麗に着地した。
「よっしゃ!」
「よっしゃじゃねぇ。」
「いてっ、!」
ぽんっと呪具の柄の部分で頭を伏黒に叩かれたかと思うと、樽のように担がれる。
「ちょっと〜!」
「往生際が悪いぞ。」
「恵、よくやった!職員室まで連れてこい!」
「了解です。」
「ね"ー!!!」
「暴れんな。」
これまた父親に似た無駄に長い手足をぶんぶんと振り回されてはたまったもんじゃない。術式のオートマ化を会得したAだったが、高専内では解いている時間の方が長い。理由としてはやはり術式頼りにならないためでもあるだろう。
「お前また痩せたか?」
「分かんないけど下ろして?」
「下ろしたらまたどっか行くだろ。」
「行かないってば!!」
「もうその手には引っかからない。」
下ろしてくれと言われて下ろせば、すぐさまその場から居なくなるのだから困ったものだ。日に日に父親に似てくるこの性格は何とかならないものかとため息が出てくる。
まだ常識があるのだからマシだろう。これが五条なら常識なんてものなければ軟派で軽薄でクズの中のクズ。そこまで行かないだけまだマシだ。
「知ってた?反省文、今月に入って三回目なの。」
「反省してねぇだろお前。」
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宙青(プロフ) - 突然すみません!いつも楽しく読ませていただいております。19話に当たるところが29話になって29話が2つ存在してませんか…? (2021年10月18日 20時) (レス) id: dd91defe37 (このIDを非表示/違反報告)
希(プロフ) - 恵が嫉妬してほしいのはわかるけど、だからってわざと見せつけたら別れの危機だからね! (2021年8月6日 16時) (レス) id: 3bd4541dda (このIDを非表示/違反報告)
らっかせい - 今気づいたんですけど、最強と娘から→最強の娘になったんですね!なにか、意味あるんですか?! (2021年7月23日 21時) (レス) id: ac50ef14ea (このIDを非表示/違反報告)
ネココ - 続編おめでとうございます〜!1から見始めた私の天使が…。もう8まで来ましたよ〜。おめでとうございます!これからもついていくんで、更新頑張ってください!!! (2021年7月17日 23時) (レス) id: d9dbb0348a (このIDを非表示/違反報告)
イナアレオリ - 最強の娘シリーズ最高です!何回読んでも良い神小説最新話更新頑張ってください (2021年7月14日 19時) (レス) id: f4313b7def (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年7月11日 1時