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さようなら人魚姫 nightmare ページ1

私が目にしたあの人はとても輝いて見えて

ちらりと見えた笑顔がとても素敵で

はじめて『恋』というものを知った。

彼に見惚れていると、彼の乗る船が難破してしまった。

彼はそのまま意識を失ったようで、私の近くまで海の波によって流されてきてしまった。

人間の彼は海では息ができない。息ができなければ、生き物である以上死んでしまう。

私には彼を見捨てることなんて出来ずに

なんとか彼が目を覚ますまでと一晩中、彼を抱えて海面にうかべ続けた。

けれどいくら経とうと一向に彼は目を覚まさない。

このまま冷たい海面に浮かべるのは人間の彼にとっては辛いだろうと、近くの浜辺に運んであげた。

しばらく見守っていると近くの灯りを漏らす建物から一人の女性がやってきて

未だ眠る彼を建物へと運んでいってくれた。

それを見届けた私は再び海の中へと戻る。

人間である彼と私では、見た目も寿命もまるで違う。

人魚として生を受けた私を、きっと彼は愛してはくれないから。

だから、海の中で名を轟かせるあの魔法使いさんに

人間になれる薬を作ってもらうことにした。




「貴方が魔法使いのnightmareさんですか?」

「あぁ、そうだが。・・・人魚の姫サマがなんの用だ?」

私が人魚姫というのに対して少し嫌悪感を抱いているのを知ってか知らずか

皮肉にもとれる言葉を放った彼に怪訝な表情をしてしまう。

「・・・私に人間になれる薬を作ってもらいたいのです」

「ほう・・・人間になる薬か。なぜ人間になりたいんだ?」

「人間であるあのお方に会いに行きたいのです。」

そう伝えれば、魔法使いさんは愕然としたように声を漏らした。

「・・・は?」

「あのお方に、彼に恋をしてしまいました。・・・彼のお側に居させて頂きたいのです」

「それでオレに薬を作れ、と?」

「はい、・・・何も代償なしでとはいいません、私の声でもなんでも差し上げます。」

「・・・ならば、先に姫サマのその声を頂こうか?」

「!そうしたら、薬を作っていただけるんですね・・・?」

「あぁ、約束しよう」

そう言った魔法使いさんに1週間時間が欲しいと言われ

人間になれるということに思いを馳せながら早く時間が経つのを待った。

*→



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作成日時:2022年6月4日 8時

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