買われた少女達はゆっくりでした。 (ページ22)

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19話○ ページ22

〜クロロ〜

私は何故か今、訓練所に居る

金属同士がぶつかる音や弓の弦を引く音に発砲音、ナイフが空を切る音.....そして大量の殺気それらがこの空間を満たしていた

そしてもっと不思議なのが、その中に乱戦の中心にソルちゃんが居ると言う事。

ソルちゃんには頑張ってと応援したが、本音を言ってしまえば戦って欲しくは無かった、、幾らソルちゃんでも負ける時は負けるし完全に攻撃を喰らわない事なんて無理だから

.....私の前では戦って欲しく無かったな、なんて子供のワガママに似た事を考えてみたり

ｸﾞﾙ?｢凄いな....あの赤髪、じゃ無くてルナソルとやらは｣

待ってましたと言わんばかりに抑えていた自慢したい気持ちが溢れ出した、もっと皆に彼女の凄い所を伝えたくてソルちゃんに自信を持って欲しくて

『！ソルちゃんは強いんだ、！』
『そんじょそこらの奴らになんか負けない位最強なんだ！！男と違って筋肉が付きにくい体を逆手に取ってそれを強みにして見せたんだ！私なんかじゃ思い付かない知識で.....』

勢い良く飛び出していた筈の言葉達は、一つの言葉を目の前に怯む様にして消えて行った

そう、私なんかじゃその答えに届かなかった

未だ乱戦が続く訓練所で三人程が私の様子を伺うようにして此方を向いて居る、他の人達も遠目から私を見ていたが差程興味は無さそうだった

ｵｽ?｢.....そんなにあの子が好きなん？｣

『うん、大好きだよ.....誰よりも守りたくて一緒に居たいって思えたから、、私の大事な人、です』

大切で、大好きで、憧れで、守りたい人

ｵｽ?｢そ.....｣

？｢ｯ....、｣(ｷﾞﾘｨｯ)

するとその会話が終わった辺りで部屋の空気の重量感がドンドンと増して行った、、なんだろ.....これ、黒くて、モヤモヤしてて、人の言う嫉妬見たいな

それでもやっぱり自分より先に心配になったのは、離れた先で戦闘を繰り広げるソルちゃんだけだった。

『.....ソルちゃん』

嗚呼、でも少し楽しそうだなぁ.....

この空気感に酔いしれながら、そんな戦闘狂じみた事を思い浮かべて見た

ソルちゃんなら、勝てる。きっと、絶対