らくだい魔女の恋物語4 (ページ8)

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フウカの好きな人ページ8

～チトセ～

多分、アイツがフウカを呼んだのは告白する

ためだろう。

フウカが断るはずがない。

だってアイツは、オレより素直だし、優しいし

フウカにとっては理想の人だろう。

結局、オレは何にもしないままで終わったか…

自分の気持ちくらい伝えとけば良かったな。

オレは、はあ…とため息をつく。

カイ｢ちーくんどうしたの～？

　あ、もしかしてフウカのこと考えてたり

　する～？(ニヤニヤ)」

チ｢あのなぁ…」

オレが言いかけたとき、アイツが部屋に入って

きた。

カイ｢さて、おいらはシロと散歩でもしてこよっ

　かな～。」

そう言うと、カイはシロを無理失そう部屋から

連れ出した。

シロ｢カ、カイ殿…」

シロが苦しそうにもがく。

カイ｢んじゃ、おっ先～♪」

キ｢…」

チ｢…」

しばらくの間、ちんもくが続いた。

どうせ、アイツはフウカと付き合うことに

なったんだろう。

けど、もしかしたら…

なんて、心のどこかで期待するオレがいる。

そんなわけないのに。

どうしてこう、むだな期待なんてしてしまうん

だろう。

いつの間にか、フウカはオレにとってなくては

ならない存在になってきた。

だからこそ、聞くのがこわかった。

キ｢付き合うことになったよ。」

だろうな。

むだな期待なんてするんじゃなかった。

ハハッ…

チ｢良かったじゃねーか。

　オレの分まで幸せになれよ。」

キ｢な～んて。

　言うと思った？」

チ｢は？」

どういうことだ？

アイツはフウカと付き合うことになったんじゃ

ないのか？

キ｢きみの反応はいつ見ても面白いな。」

なんだよ。と言おうとしたけどやめた。

アイツの笑顔がとても苦しそうに見えたから。

チ｢なんか、あったのか？」

キ｢だめだった。」

チ｢え？」

キ｢フラれたんだよ。

　フウカに。」

アイツが深呼吸をしてもう一度くりかえす。

フウカが、アイツをふった…？

フウカの好きなやつってずっとコイツだと

思ってたのに。

ちがったのか…？

キ｢だから、フウカにちゃんと思い伝えるんだよ

　いいかい？もしもフウカを泣かせたら

　ボクがいつでもうばいにくるからね？」

チ｢おう。

　ありがとう。」

コイツに初めてお礼を言った。

案外いいヤツなのかも。

フウカの好きな人がコイツでないとしたら、

一体だれなんだろう？