Story 33 . ページ35
裕太くんは私がいることがびっくりしてる
みたいで 口をぽかーんってあけてる
お仕事なのかな …
玉 ｢ A … ｣
そういって 私の名前を呼びながら
優しくぎゅって してくれた
ただそれだけで嬉しくて
今までぐずぐずしてた自分が情けなくて
“ ごめんね ” って気持ちをこめて
裕太くんの背中に腕を回した
玉 ｢ 会いに来てくれたの … ？ ｣
『 … 一応 … そのつもりだったんだけど
もう裕太くん お仕事だよね …
ごめんね … 邪魔して … 』
玉 ｢ 俺今日7時に終わる予定だから 家で待ってて ？ ｣
私が頷くと安心したように鍵を渡された
あ … これ私の鍵 … ？
『 あの … これ …
玉 ｢ 忘れ物 ｣
玉 ｢ 次 忘れたらお仕置きだよ ？ ｣
ずっと 探してた鍵 …
キーケースに自分の家の鍵と裕太くんの家の鍵が
前と同じ位置に並んでいて
スペアキーをもっていたから家に入れてたけど
まさか裕太くんの家に置いてたと思わなかった
『 ごめんなさい … 』
玉 ｢ ごめんなさいって 思ってるなら俺のご飯作って
この家で待ってて ？
わかった ？ ｣
『 ちゃんと 待ってるね ？
いってらっしゃい 』
すると 私のおでこに ﾁｭｯって してくれた
玉 ｢ いってきます ｣
裕太くんを見送ってから家に入ると
靴置き場の上にはちゃんと 私の靴も並んでいて
他の場所にも 私のものが 置かれていた
やっぱり 私の勘違いだったんだよね …
リビングに散らかっているお弁当のからや
掃除しきれていない部屋をみて
すごく申し訳ない気持ちになった
だけど１箇所だけ 綺麗になっていた場所
それは テレビ台の横にある
私と裕太くんの 写真たて
他の写真はうっすらとほこりがかかっているのに
その写真だけ綺麗になっていた
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作者名：みなみ . | 作成日時：2017年9月25日 20時
