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Story 30 . ページ32

裕太くんの家までは足取りが重い





だけどマンションまでには

たくさんの思い出が詰まってる道









秋になったらいちょうが落ちてくる並木道




大通りにはオシャレなカフェ




いつも朝になると犬の散歩をしているおじいちゃん



眠そうにしている男の子









時間が違うだけで

いつものみ慣れた道も別のものに見える









こんなに冷静になってられるのもそのせい








時間が経てば自分の不甲斐なさがしみじみ感じる





あと少しで裕太くんのマンション




やっぱ辞めようかなって何度も思ったけど

ここまできたら引き返すことなんてできない








全然うきうきな気分じゃないけれど


朝にはしーんとしたマンション






静かにエレベーターに乗り

わざと裕太くんの家のドアノブに

手紙と裕太くんの好きなものを詰めて






かけておいた








もうここにくることはないのかな







もう裕太くんは私のことどうでもいい ?







昨日あんなに泣いたのに



そう思ってももう遅い







早く帰らないと





なのにどうしてか足が動かない





“ 裕太くんに会えるかも






その気持ちが行動を邪魔する






もたもたしてると







ほら …







涙を流した私にびっくりしている







裕太くんが家からでてきた

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作者名:みなみ . | 作成日時:2017年9月25日 20時

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