拾伍話 ページ17
Noside
それは秋も深まり急に温度が下がった日のことだった。
Aは急いで降谷が買ってきた上着を羽織り、公園の近くを歩いていた。
片手には買い物袋。地面に転がる銀杏の実を避けながら砂場のそばを通る。
と、そんな時。冷たい風に乗ってどこからか子供たちの声が聞こえてきた。
｢大ちゃんどうしたのー？｣
｢今日は元気がありませんね｣
｢どっか痛むのか？｣
心配そうなその声に振り返る。
するとそこには５人の子供たちと１匹の三毛猫。
ベンチの上に丸まっている猫を子供たちが囲んでいた。
確かに猫の方はどことなく具合が悪そうに見える。
Aはしばらくその光景を見つめ、黄色のスカートを翻して歩み寄った。
『どうかなさいましたか？』
｢え？あ、えっと…この猫、知ってる猫なんだけど元気なさそうだなって…｣
いきなり話しかけられ戸惑いながらも答えたメガネの少年の言葉を聞き、Aはふむ、と首を捻る。
『ちょっと失礼しますね』
そう言って、子供たちの不思議そうな視線を受けながら三毛猫を覗き込む。
すると三毛猫の方もゆっくりと顔を上げ、彼女と目を合わせた。
にゃあ、と弱々しく鳴いた声に、Aは頷きで返す。
そしてなるほど、となにか納得したように呟き、子供たちの方を向いた。
『急に寒くなったせいて体調を崩したとおっしゃってます！』
｢え？誰がですか？｣
『猫様が！』
｢ねこ…え？｣
大真面目な顔で告げたAに、メガネの少年と茶髪の少女の視線が一瞬にして鋭くなる。
当然だろう。いきなり猫が喋ったと言い出すなんて怪しさ満点。不審者確定である。
しかし他の３人はしばし目を瞬かせ、ぱあっと顔を明るくした。
｢お姉さんすごーい！｣
｢超能力ですか！？｣
｢姉ちゃん動物と喋れんのか！？｣
『へ？えっと、まぁ、はい。割と近しい存在なので…』
へらりと笑ったAにますますメガネの少年の目が鋭く光る。
しかし彼はそれをあどけない笑顔の奥に隠しAに尋ねた。
｢お姉さん、もしかして獣医さんとか？｣
『違いますよ。Aと申します！19歳です！』
｢べ、別に年齢は聞いてないけど…じゃあ大学生？｣
『学校へは行っておりません』
｢普段何してる人？｣
『うーん…家事でしょうか』
まるで職質である。
少年はまだなにか問おうとしたが、しかしそれをカチューシャを付けた少女が止めた。
｢ねぇ！早く大ちゃんをポアロまで連れてってあげよ！お姉さんも一緒に！｣
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やっち(プロフ) - 更新お待ちしてます (2022年4月24日 5時) (
レス) @page26 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ベリナさん» わ〜！ありがとうございます…！！ずっと更新止まっててすみません！中途半端なところですしまた書きますね！！優しいお言葉、励みになります！本当にありがとうございます！！ (2019年2月23日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ベリナさん» わ〜！ありがとうございます…！！ずっと更新止まっててすみません！中途半端なところですしまた書きますね！！優しいお言葉、励みになります！本当にありがとうございます！！ (2019年2月23日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
ベリナ(プロフ) - この作品もう更新はされないのでしょうか、、、？とても好きな作品なのでいつまでも心待ちにしております (2019年2月22日 21時) (レス) id: d785e007a4 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - いちごって美味しいよねさん» こんにちは！いつもありがとうございます〜！こちらもよろしくして頂けると嬉しいです！！ (2018年11月16日 7時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年10月24日 21時
