サヨナラヒロイン (ページ25)

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ここにおってよ【5】ページ25

〔現在〕

長尾「大吾くんってやっぱかっこええよなあ！」

藤原「俺が持ってあげるって、どこのヒーローやねん」

「センターで、自分だって大変だったくせに…すごいよね」

あの時の大吾くんは、関ジュのセンターとして頑張っているときだった。

長尾「…きっとあのときのAちゃんやったからやで」

「ん？」

長尾「俺、覚えとるんよ。あのときのAちゃんはなんていうか…ふと気づいたら消えてしまいそうやった」

藤原「せやな、どんどん痩せていってたしな」

長尾「うん。せやから、大吾くんも焦ったんとちゃうかな」

そんなふうにみんなの目に映っていたことに驚いた。

みんな、気にかけてくれてたんだ。

そう思って嬉しくなった。

「そういえば、デビューしたら話すって言われたこと、なんだったんだろ」

長尾「今度聞いてみたらええんちゃう？」

「うん、そうする」

捨てたつもりの荷物は、きっと大吾くんが拾って持っていてくれたんだと今は思う。

ちゃんと。本当の意味で、その荷物が消えてなくなるまで。

あのときいろんなものを背負っていた大吾くんに、私はまたひとつ、荷物を背負わせてしまった。

だから、恩返しがしたい。

彼のために私は

何ができるのかな。

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