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清太はあの頃と少しだけ大人びた顔をしていて、相変わらず整ったその顔は、さらに磨きがかかっていた。


その顔を私の脳は、腹が立つくらいに刻み込んでいく。


清太が口を閉じ、その目に苛立ちを挟めた時私の足がやっと動き出した。




「来ないで」


私の言葉に清太の眉がピクリと動いた。


「それ以上近づいたら………ここから飛び降りるから」


2〜3分おきに来る電車。もうそろそろ来る頃だろう。耳鳴りのなる私の耳はまるで水の中にいるみたいにこもっていて何も聞こえない。

ただ、自分の発する言葉だけがやけに大きく木霊した。


怒りに満ちた清太の表情に、あの頃の記憶と痛みが蘇る。

一気に押し寄せて来た吐き気と目眩に、私の体はぐらりと後方へ傾いた。


その瞬間に、私は力任せに清太に抱き抱えられ連れ去られた。


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作者名:ミーコ | 作成日時:2017年9月30日 14時

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