嘘つきなのだが嘘つきではない ページ10
「・・・如何してそんなに赤く染ってるんですか」
色々と。
水瓶に残っていた水を使い丁寧に額に痣がある子の体を拭きながらふと思っていた事を聞いてみた。
その子は何故か苦い顔で言うのを渋っていた。
「え、えっと、熊に襲われて」
ギュンッと顔が変な顔になる男の子。吹きそうになりながら先刻の言葉を反復する。
「熊に?」
「く、熊に」
「襲われて?」
「お、襲われて・・・」
ここで急なカミングアウトをしてみる。
「ふーん。所で知ってますか?この山、熊出ないんですよ」
「えっ!?」
「貴方の言っていることが正しいなら、おかしいですね。私この山に長く住んでいるんですけど、熊に会ったこと1度もないんですよね。」
意地悪な事している自覚はある。でもついつい変な顔しだした男の子の虐めたくなった。メルトの加虐性移ったかな。こら、私の口、ニヤけるんじゃない。
「う、うう・・・」
「人喰いの化け物なら、出るんですけどね」
「!!」
やっぱり鬼殺す職業の人じゃん、分かってたけど。だって羽織と上も脱がせた時に服に滅ってでっかく字が書いてるの見えたんだよ?馬鹿でも分かるわ。
「それなら、何故ここから逃げないんですか」
俯いていた男の子はポツリと零す。
「物好きなんだと思いますよ、私」
目の前に起きてることを見逃せないって点では最早馬鹿なんだと思う。前だってそんな所為で死にそうな目に合ったって言うのに。
「君は、」
「はい、終わり」
そう言って軽く彼の背を叩く。痛かったのか涙目になって喋らなくなってしまった。
何か、凄く既視感があるような、そんな子だった。
でも覚えてないってことはそこまで気にする人でも無かったのかな。
痣の子の隣に寝かせた子達はこの時代には珍しい容姿だった。金髪に、猪頭。いや、私がいた頃でも猪頭は居なかったわ。バーサーカーかな。金髪の子は純セイバーって感じがする。この子達サーヴァントじゃないけど。
猪頭の子は流石に躊躇したので、次は金髪の子をと、紅くなってしまったタオル、手ぬぐいか。手ぬぐいを洗って濡らす。軍服かなんかを脱がせて腕を吹き始めた瞬間、バチッ!!と金髪の子の目が開いた。
こっっっわ、この子猪頭よりこっっっわ。どうせならみんなバーサーカーだよ。あ、起きてる子は違うか。
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ちぃ子(プロフ) - あごしわさん» あの男らしくて凛々しい錆兎がバーサーカーは無いかなとは思ったのですが彼に限らず鬼滅キャラ全員バーサーカーぽい所あるよね!でバーサーカーにしてしまいました…反省はしていますがあごしわさんが草生やしてくれるので後悔していません!コメント有難う御座います! (2020年1月3日 0時) (レス) id: 703775a416 (このIDを非表示/違反報告)
あごしわ - 錆兎バーサーカー呼ばわりされてて草生え散らかした。 (2020年1月2日 22時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ子(プロフ) - ウルクの民はここにいます…さん» コメントありがとうございます。何ギルなんでしょうね・・・。何時も御覧頂き有難う御座います! (2019年10月31日 22時) (レス) id: 703775a416 (このIDを非表示/違反報告)
ウルクの民はここにいます…(プロフ) - 何だこの面白い小説……はっ!ギルがでてきた!?これギルだよね!?ギルだよね!?いやったぁぁぁぁ!!更新!頑張って!ください!(黙れ) (2019年10月19日 6時) (レス) id: e3c16a62a9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ子(プロフ) - 焔さん» 有難う御座います!参考にさせていただきます…!! (2019年9月21日 11時) (レス) id: 703775a416 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃ子 | 作成日時:2019年8月11日 0時