私を知らない大魔女さん ページ46
やっと気持ちが収まって涙が引いてきた。
メディアさんは葛木さんの妻だそうで葛木メディアと名乗っていた。その時のメディアさんの乙女な顔ときたら可愛いのなんの。
矢張り私の事は知らなくて。サーヴァントは記憶しない為、一度の召喚きりなのだ。
一度喚んで座に帰ってしまえば自分との記憶はリセットされる。例外もいるけれど。
今は其れが少し寂しい。服を作るのが得意で、フィギュアや模型が好きなあのメディアさんとは違うのだから。
私が令呪を持っていたので物凄く警戒されたが敵意は元から無いので取り敢えずは収めてくれた。
そんなメディアさんは魔術を使って私の指を綺麗に治してくれた。流石大魔女、跡さえ無い。そんな彼女の圧巻の技に伊之助君は目を輝かせて見ていた。
「その、メディアさんは如何して召喚されたのですか」
「あら、敬語じゃなくて良いわよ。そうね、聖杯戦争で喚ばれた筈なのだけれど」
え。この時代でも聖杯戦争があるのか!?否、私が生きていた日本のそのまま過去にタイムスリップ、という訳では無さそうだから歴史も違うのだろうか。
「聖杯戦争で大事な七基が揃っていないのと、聖杯の膨大な魔力の気配さえ無いのよ」
それって、聖杯戦争として成り立っていないのでは?
「ま、私は宗一郎様と居られるから満更でもないんですけどね」
メディアさんは葛木さんにゾッコンらしい。そんな葛木さんは、早くも飽きてしまった伊之助君に勝負を吹っかけられて手合わせしている。
だからこれは二人きりで話しているのだ。これは、チャンスなのでは?
「あの、私。マスターなんですけど、魔術さえろくに使えなくて。このままじゃ駄目で、」
「煮え切らないわね。何をして欲しいのかしら」
「私に、魔術を教えて下さい」
私はもう煉獄さんの時のように何も出来ずに指をくわえて見ているのは嫌だ。
「貴女曲がりなりにもマスターでしょう。其れなら貴女は私の敵、という事よ。そんな貴女に私が教えると思って?」
そうだ。聖杯戦争において七基は殺し合い、残った一基とそのマスターが聖杯を手に出来る。そんな状況で敵のマスターに塩を送るような真似は馬鹿のすることだ。
「私、助けられなかった人が居るんです。マスターの端くれなのに、サーヴァントも呼ばずに見てるだけで」
魔術が使えないからと、諦めてしまっていた自分が憎い。炭治郎君に前に進むしかないと言っておいて自分は前に進めていないのだ。
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ちぃ子(プロフ) - あごしわさん» あの男らしくて凛々しい錆兎がバーサーカーは無いかなとは思ったのですが彼に限らず鬼滅キャラ全員バーサーカーぽい所あるよね!でバーサーカーにしてしまいました…反省はしていますがあごしわさんが草生やしてくれるので後悔していません!コメント有難う御座います! (2020年1月3日 0時) (レス) id: 703775a416 (このIDを非表示/違反報告)
あごしわ - 錆兎バーサーカー呼ばわりされてて草生え散らかした。 (2020年1月2日 22時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ子(プロフ) - ウルクの民はここにいます…さん» コメントありがとうございます。何ギルなんでしょうね・・・。何時も御覧頂き有難う御座います! (2019年10月31日 22時) (レス) id: 703775a416 (このIDを非表示/違反報告)
ウルクの民はここにいます…(プロフ) - 何だこの面白い小説……はっ!ギルがでてきた!?これギルだよね!?ギルだよね!?いやったぁぁぁぁ!!更新!頑張って!ください!(黙れ) (2019年10月19日 6時) (レス) id: e3c16a62a9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ子(プロフ) - 焔さん» 有難う御座います!参考にさせていただきます…!! (2019年9月21日 11時) (レス) id: 703775a416 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃ子 | 作成日時:2019年8月11日 0時