猪とどのようなご関係で ページ45
煉獄さんの件から、私を見る度出血女と言ってくるこの男。伊之助君に私は捕まった。なんでさ。
「あの、そろそろ下ろして」
「ワハハハハハ！アイツなんかより俺の方が早ぇ！！」
いやアイツって誰でしょう。そんな彼に俵担ぎされて街を駆けること約数分。道を行き交う人は皆好奇の目で私達を見ている。
そりゃそうでしょうとも。半裸の猪人間とそれに担がれた女が走り回っていたら二度見する。私だってそうする。
「落ち着いてって、ねぇ。あと何処行くの」
「アアン！？テメェの指何とかできるって言ってたヤツが居るからソイツんとこ行くんだよ！感謝しろ！！」
「なんという在り来りな誘拐文句」
えぇ・・・何そのお菓子あげるから着いておいでみたいな台詞。伊之助君絶対誘拐に引っかかるよ。さては茨木ちゃんタイプだな！
「・・・そっか。ありがとう、伊之助君」
「！？おっ、おう・・・？」
なんかホワホワすると言う伊之助君。
担がれたままなのはもう諦め大人しく揺られているとキキーッと急停止してくる。車でも危ないんだから辞めんしゃい。
目を開けると何処かの寺が視界に入る。
「・・・ああ、来たのか」
その声の主は、何処かで見た事がある様な眼鏡の男性だった。
「おお来てやったぜ！早く富士山A太を治しやがれ！！」
「え、えっと？貴方は」
「・・・此処は外だ。中へ入れ。」
言われた通りに中へ入る。担がれたまま。
待って、その前にこの人と伊之助君どんな接点あるの！？
「彼には妻が世話になった」
？助けたって事だろうか。鬼とかから。
「治せるのは妻だ。俺では無いんだ」
「そうなんですか」
そのまま待つこと数分、彼の妻らしき人の声が聞こえて来た。
「お待たせしてすみません、宗一郎様！」
「例のお客人だ」
「あら、変な魔猪の坊やと、貴女ね。坊やが言っていたのは」
襖の先に現れたのは、私がよく知る魔術の基礎を教えてくれた、かの大魔女メディアだった。カルデアの頃のことを思い出してポロポロと涙が溢れてしまう。
伊之助君はそんな私にギョッとして、どうした！藤の花！？ツヤツヤのどんぐりやるから泣きやめ！！と可愛いことを言う。
「あらあら、お嬢さん。そんなに目を擦ってはダメよ、赤くなるわ」
「すみませっ」
初対面で唐突に泣き出した私の背を撫でてくれる彼女はよく知る優しい手つきであった。
それもあってか必死に修復していた涙腺がついに崩壊し、ダムの放流の如く零れる。もう、私最近涙腺緩い。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 107人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちぃ子(プロフ) - あごしわさん» あの男らしくて凛々しい錆兎がバーサーカーは無いかなとは思ったのですが彼に限らず鬼滅キャラ全員バーサーカーぽい所あるよね！でバーサーカーにしてしまいました…反省はしていますがあごしわさんが草生やしてくれるので後悔していません！コメント有難う御座います！ (2020年1月3日 0時) (
レス) id: 703775a416 (このIDを非表示/違反報告)
あごしわ - 錆兎バーサーカー呼ばわりされてて草生え散らかした。 (2020年1月2日 22時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ子(プロフ) - ウルクの民はここにいます…さん» コメントありがとうございます。何ギルなんでしょうね・・・。何時も御覧頂き有難う御座います！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: 703775a416 (このIDを非表示/違反報告)
ウルクの民はここにいます…(プロフ) - 何だこの面白い小説……はっ！ギルがでてきた！？これギルだよね！？ギルだよね！？いやったぁぁぁぁ！！更新！頑張って！ください！(黙れ) (2019年10月19日 6時) (レス) id: e3c16a62a9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ子(プロフ) - 焔さん» 有難う御座います！参考にさせていただきます…！！ (2019年9月21日 11時) (レス) id: 703775a416 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちぃ子 | 作成日時：2019年8月11日 0時
