貴方を求めて約十里 ページ28
鬼殺隊に協力して欲しい、だなんて。
バーサーカーは駄目だと言うように私を見つめる。
遭ったのなら、手を差し伸べたいのだ。
それでも死にたくないと思い留まってしまう私は卑怯だ。
そんな自己嫌悪にもやもやしている私に、ある一報が届いた。
久々に村へ降りてみると、村の人々がこう噂していた。
「あの坊主の酷い怪我をいとも簡単に治しちまった」
「異国の方なのかしらねエ、髪色が柑子色?金茶にも見えたねエ」
「白衣も着てたからきっとお医者様なんだろうな。あんな細身での頼りなさそうな兄ちゃんがなあ」
柑子色と金茶色、つまり現代で言うオレンジ色の、怪我を治す医者。
私はそんな人を一人しか見た事がない。
必死に私は村を駆け回りその人の行方を聞いた。
その人は都会へ出て汽車に乗ると言っていたそうだ。
行かないと。あの人を見つけ出して文句の一つや二つ言ってやらねば。今度こそ、あの人の手を掴んでやる。
今は周りの目や鬼殺隊の話さえ、頭から離れていた。
「ッ錆兎!!これから都会に行くよ!!」
私が住んでいる山から都会へは約十里。そんなんじゃ二日ぐらいかかってしまう。その間にも彼は行ってしまう。
焦る私に錆兎は立ち上がる。
「準備はいいとして、あとはどう早く行くか」
其の儘私と荷物を持ち上げる。無論姫抱きで。
「錆兎!?あ、そっか、錆兎はサーヴァントだもんね。・・・よし、錆兎、いやバーサーカー。私を都会まで連れてってくれるかな」
彼は待ってましたと言わんばかりに家から猛スピードで飛び出す。その拍子に扉が吹っ飛ぶ。ああ、帰ってきたら修復作業から始まるな・・・
ドクター、首を洗って待ってて。すぐ追いつくから。
大正コソコソ噂話
「実は錆兎、Aを召喚当初の時、真菰だと思っていたそうです」
「そうそう。やっぱ君もバーサーカーか・・・って思ったもん」
「バーサーカーって勘違いする人が多いのか?」
「勘違いじゃなくて、私が私だと認識出来ていないんだよ。要は錆兎から見たら私は真菰に見えていたってだけの話」
「今は違うらしいけどな」
「まぁ?クリスティーヌだしトロイアだし安珍様だしローマだからね」
「何を言っているんだ・・・?あ、それともう一つ。実はA、錆兎が自分だけに甘えと独占欲が酷いので、清姫さんと同じ対応をしているそうだ」
「ところで清姫さんって誰なんだろう?」
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ちぃ子(プロフ) - あごしわさん» あの男らしくて凛々しい錆兎がバーサーカーは無いかなとは思ったのですが彼に限らず鬼滅キャラ全員バーサーカーぽい所あるよね!でバーサーカーにしてしまいました…反省はしていますがあごしわさんが草生やしてくれるので後悔していません!コメント有難う御座います! (2020年1月3日 0時) (レス) id: 703775a416 (このIDを非表示/違反報告)
あごしわ - 錆兎バーサーカー呼ばわりされてて草生え散らかした。 (2020年1月2日 22時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ子(プロフ) - ウルクの民はここにいます…さん» コメントありがとうございます。何ギルなんでしょうね・・・。何時も御覧頂き有難う御座います! (2019年10月31日 22時) (レス) id: 703775a416 (このIDを非表示/違反報告)
ウルクの民はここにいます…(プロフ) - 何だこの面白い小説……はっ!ギルがでてきた!?これギルだよね!?ギルだよね!?いやったぁぁぁぁ!!更新!頑張って!ください!(黙れ) (2019年10月19日 6時) (レス) id: e3c16a62a9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ子(プロフ) - 焔さん» 有難う御座います!参考にさせていただきます…!! (2019年9月21日 11時) (レス) id: 703775a416 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃ子 | 作成日時:2019年8月11日 0時