記憶の底、埋もりに埋もれる ページ14
炭を持ってこようか??
「えっ、良いの!?」
「あっ、ああ。勿論売るって事で、なんだが」
「いやいやいや!買うのが当たり前でしょ。いや、そんな事より、大丈夫なの!?君の家遠くないの?」
「先刻も言っただろ、この山が帰る時近道なんだ」
「お願いします!!是非、是非!!」
やった!これで寒さともおさらばだ!
そんなこんなでその日から竈門君との友人関係が始まった。そんなある日のこと。
「なぁ、Aはどうしてこの山に住んでるんだ。一人は寂しいだろう」
急に聞いてくる竈門君に少し驚きながらも答える。
「一人は寂しいけど慣れちゃったし、それに今更ここから離れるのも何かなぁ、って」
え?寂しいよ。慣れるわけないじゃん。でも此処から降りたいとか、別の所に住みたいとかは思えないんだよな。何でだろう。
カルデアがあった場所がこんな感じだったからかな。
「・・・これは提案なんだが、俺の家に来ないか?」
「え、何で?」
「一人に慣れた、なんて嘘だろう。A」
「え、え、えっ?」
エスパー?え、君もしかしてサーヴァント?千里眼でも持ってんの?と軽く混乱していると、竈門君は自分は鼻が良いから嘘か本当かすぐ分かる、と説明してくれた。
持っていたのは嗅覚における千里眼でした。サーヴァント性能じゃん。十分人知超えてますよ竈門君。
「俺、実はAの事家族に話してしまったんだ。そしたら弟と妹達から会いたいと言われてしまって・・・」
あ、この子ブラコンシスコンなんじゃないか?
その前に竈門君の家族面白可愛すぎじゃないですか?この前も、妹ちゃんに理想のタイプを聞かれて鈴蘭のような柴犬とか、答えたって聞いたし。いや比喩の仕方!!
「そ、それに俺もAと、一緒に居るのが、楽しい、から・・・」
段々と声が小さくなっていく竈門君。けどね、ごめん。
「私は多分此処から動かないよ。此処案外気に入っちゃってるんだ」
そ、そうか。とバツが悪そうに言うものだから、めちゃくちゃフォローした。
それから夏になってもちょろちょろ遊び来てくれていたが、次の年ぐらいの冬に、竈門君はピタリと私の家に来なくなった。
私は甘く考えていた。このまま、こんな日が続くんだなんて甘ったれた考えをしていた。別れなんてこの時代、いつ来るかも分からない連絡も取れなくなるなんて想像もしていなかった。
そんなものかと納得するしか出来ず数年が過ぎ、私も竈門君もお互いを忘れていた。
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ちぃ子(プロフ) - あごしわさん» あの男らしくて凛々しい錆兎がバーサーカーは無いかなとは思ったのですが彼に限らず鬼滅キャラ全員バーサーカーぽい所あるよね!でバーサーカーにしてしまいました…反省はしていますがあごしわさんが草生やしてくれるので後悔していません!コメント有難う御座います! (2020年1月3日 0時) (レス) id: 703775a416 (このIDを非表示/違反報告)
あごしわ - 錆兎バーサーカー呼ばわりされてて草生え散らかした。 (2020年1月2日 22時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ子(プロフ) - ウルクの民はここにいます…さん» コメントありがとうございます。何ギルなんでしょうね・・・。何時も御覧頂き有難う御座います! (2019年10月31日 22時) (レス) id: 703775a416 (このIDを非表示/違反報告)
ウルクの民はここにいます…(プロフ) - 何だこの面白い小説……はっ!ギルがでてきた!?これギルだよね!?ギルだよね!?いやったぁぁぁぁ!!更新!頑張って!ください!(黙れ) (2019年10月19日 6時) (レス) id: e3c16a62a9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ子(プロフ) - 焔さん» 有難う御座います!参考にさせていただきます…!! (2019年9月21日 11時) (レス) id: 703775a416 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃ子 | 作成日時:2019年8月11日 0時