キミには届かない【ツイステ】

れっつらごー！！ ページ26

学園長が去った後、ユウちゃんたちが集まってこそこそ話し出す。


え、仲間外れ………？

それはそれで、悲しいんだけど……
いや、見捨てたの私だけどさあ。


ちょっとションボリしながらグリムをつんつんする。

別に、悲しくなんかないけどさぁ。



1人でいじけていると、ユウちゃんが代表してやってくる。


私を素通りした後、グリムの耳元で叫んで起こす。



ツナかーん！！！と


………グリムは起きたが、何が起こったかわかっていない。


そんなグリムに、彼女は


––––––ずっと寝てた方が、幸せだったかもね。


なんて恐ろしい言葉をかけて、彼(？)を持ち上げる。


なぜか、禍々しいオーラを纏ったユウちゃんは

私の方を見ると、


「待ってて下さい。」


と力強い声で言い残して青年たちと去って行った。

去っていった…………？

あ、……行っちゃった。



私もついて行こうと思ったのに。


魔法石をとりに行くのは知っているが、どこどこの鉱山かなんて具体的な事は聞いてなかった。


……鏡の間の扉を使うとしても行き先が分からなければどうしようも無い。



ふぅむと思案した後、ある案を思いついて、目的地まで急いだ。




▼


息を整える。
急いだことが悟られないように。
なるべく落ち着いた風を装って、扉を開いた。


開いた扉の先には………


学園長。


先程のシャンデリアの魔法石の在り処を教えたのは、彼だ。


じゃ、上手く聞き出せば、こちらの物だ！と単純なことに気がついた私は、学園長室に来たのである。


ココからが大切。
いかにバレないように聞き出すか、と言う難問である。

しかし、これにはもう対策済み。

夕飯の話を出せばいいのだ。
この前、夕飯をタカリに来たのを上手く使う。


「おや、どうしたんです？私に何か？」


深呼吸をして、口を開く。


『ええ、学園長を夕食に誘おうと思って。
この前は、私、いませんでしたから。』


「おお！ありがたいですねぇ。それでは…『でも。』…はい？」

『でもユウちゃん達が帰ってくる時間が分からなくて。
何処らへんに行ったかわかれば、それに合わせて作るので…。』

「ああ！彼女ならドワーフ鉱山に…っ！？」


学園長がやられた、という顔をしている。
対して、私は勝ち誇った顔をしているだろう。

これで居場所が分かった。
学園長に短く挨拶を告げ、鏡の間まで駆け出した。




残された部屋で

「私は、貴方が心配なだけなのに…」

と学園長が呟いていたのも知らずに。

仲良しか。→←君たち、マジか……

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