あなたのそばに…【文豪ストレイドックス】 (ページ42)

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第三十九話ページ42

まさかまた、双黒の連携が見れるとは思わなかったな…しかも『汚濁』だなんて…。

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莫迦げた云い合いをしながら外へ出ると中也さんが組合から攻撃を受けて飛ばされ、太宰さんの無効化も効かなかった。
相手は俄かに信じがたかったが異能者では無かったらしい。

中也さんの指示のもと、私は久作を連れて少し離れた場所に避難し久作を護っていた。

視線の先は勿論双黒の二人で、マフィアにいた頃もこうして遠くで見ていた事が何回もあった。
如何して何時も私も仕事に参加してるのかわからない。二人で十分だろうに。

何回も二人の戦りかたを見ていたから、作戦暗号まで覚えるようになってしまった。
今は『恥と蟇蛙』だ。

『「櫺子の外に雨」か「造花の嘘」辺りかと思ったけど…確かに「恥と蟇蛙」の方が良いかも』

こんな暗号を作って共有出来るくらい相性は良いのにな…暗号名決めるとき巫山戯てたけどノリノリだったからな…二人共。

『矢っ張り凄いな…』

二人の勝利かと思えたのに…組合の人は起き上がり、太宰さんを薙ぎ払う。
アレは…本当に人間？異能者でもないのにあんなの…何の冗談なんだ。

此処は危ない、もう少し離れないと巻き込まれてしまう。

此処まできたら残された手は一つしかない。
まさかまた、双子の連携が見れるとは思わなかった…しかも『汚濁』だなんて…。
＊＊＊
思った通り汚濁を使う中也さん。
二人が双黒と呼ばれるようになったのはこの汚濁を使い一晩で敵組織を建物ごと壊滅させたからだ。あの時は正直中也さんが死んじゃうかと思った。

「敵は消滅したもう休め中也」

『中也さん‼』

汚濁を使ってからは正直あっという間で、改めて中也さんの強さと双黒の凄さを思い知った。
けど、汚濁は中也さんにとっては命を削るに等しい訳で、その場に座り込んでしまった。

「この…糞太宰…終わったら直ぐ…止めろっつうの…」

「もう少し早く止められたけど面白くて見てた」

「手前を信用して…『汚濁』を使ったんだ…ちゃんと俺を拠点まで…送り届けろよ…」

「任せなよ相棒」

疲れ果てた中也さんはそのまま此方に倒れ込み眠ってしまった。

『お疲れ様』

「zzz…」

さっき迄暴れてたとは思えないなぁ…

「さ、帰るよAちゃん」

『どうせ中也さんを放って行く気でしょう…先に帰っててください。私は中也さん連れて帰るんで』

「えー兄好き(ブラコン)辞めたんじゃないの？」

辞めたって、始めてもないし…。