第三十六話 ページ39
『はあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』
「わあ大きい溜息」
『誰の所為だと…気が重い』
只今、密会に設定した場所でマフィアを待っているけど既に帰りたい。そんな思いは通じるはずも無く、森さん達がやってきてしまった。
「ようこそ首領」
「四年振りだねぇ」
『…あの、近いです。そしてこの紙袋は何ですか。結構重いんですけど』
「Aちゃんに似合うと思って買っていた物だよ〜」
『いりません』
太宰さんの挨拶に答えながらも真っ直ぐに私の方へ歩いてきてやたら重い紙袋を渡してきたかと思えば中には大量の服。
「私の娘から離れて頂こうか。ポートマフィア首領 森鷗外殿」
「彼女が何時、貴方の娘に?武装探偵社社長 福沢諭吉殿」
社長は私を背後に隠し、森さんと対峙する形になる。
「Aこっちだ」
社長と森さんが話す間に私は国木田さんの元へ。離れる際の森さんの「あぁ…」なんて悲しげな声は聞こていない事にする。私は
「本当にお気に入りだったのだな」
『否定出来ないのが辛いです。まぁ、実力が如何とかではなくて彼の人が
「あぁ…」
『否定する素振り位見せてくれませんか』
「済まん」
『頼んでも尚⁉』
こんな巫山戯た会話をしている最中も交渉は目の前で行われているわけで、たかが数米の距離で温度差が凄い事になっていた。
交渉の結果はマフィアは探偵社の邪魔はしないという協定を結んだ。
正直、マフィアには独走癖のあるがれちゃんがいるから何時まで其れが出来るかは定かではないけど…。結んだという事実があるに越したことはない。
「あぁ Aちゃん。前にも云ったけれど、私は何時でも待っているからね」
『前にも云いましたけれど、二度と戻るつもりはありませんから』
「君が其処まで探偵社に執着しているのは…彼がいるからかな?」
『彼の人に手を出したら、私は私の全てを捨ててでも貴方を殺します』
「っ‼ 怖いなぁ…私の元にいた時ですらそんな殺気出したことないだろうに。大丈夫だよ、私は君が大好きだからねえ、君の意見を尊重するよ。それに、君に何かあれば中也君が怖いからね」
そう云い残し、そのまま去っていった。
「却説、Aちゃん。私達はQ奪還に向けて動こうか。はあ〜〜〜〜行きたくない」
『さっさと行きますよ。久作が待ってるんですから』
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美影(プロフ) - すごく面白いです!言動が漫画、アニメその物で凄く引き込まれます!これからも更新頑張って下さい! (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7e8f63469d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2019年12月11日 11時