第二十四話 ページ27
朝の
私は鏡花ちゃんと二人で行動するように国木田さんに言われた。
「…」
『…敦くんが心配?』
先刻、谷崎くんと一緒に賢治くんの捜索に行った敦くん。二人が出て行ってから鏡花ちゃんがずっとそわそわしていてとてもわかりやすい。
私も出て行ったのが乱歩さんだったらこんな所でジッとしていられないしな…。国木田さんも社長も会議だしな…。
『…捜しに行く?』
「…いいの?」
『単独で動くなとしか云われてないから大丈夫だよ』
「行きたい」
『じゃぁ行こうか』
近くにいた事務員さんに声をかけ社を出る。
出て行ってからそこまで時間が経ってないからあまり遠くには行ってないと思うけど…。
『全然追いつかないな…逆方向だったかな…』
「彼方…騒がしい…」
『え?ちょっと鏡花ちゃん‼』
あの子意外にぐいぐい いくな…。
いきなり走り出した鏡花ちゃんを追いかけると交差点に謎の人混み。その中には敦くん達もいた…が。
『なんで…』
「Aさんも来てくれたんですね!…Aさん?」
『何で貴方が此処にいるんですか?森さん』
嫌な記憶が次々と蘇る…。二度と思い出したくなかった記憶が…。
「そんなに睨まないでよAちゃん。偶々だよ」
「ナマエ‼今迄何処に行ってたの?早く帰りましょ‼この前ねナマエの好きそうな」
『済みません。エリス嬢。私はもう帰りませんよ』
「え⁉どうして‼リンタロウがキモいから⁉」
「非道いよエリスちゃん‼」
『其れもありますが…私は別に居場所が出来たんです』
「どういう事?チュウヤは?チュウヤが待ってるわよ‼」
『中也さんとはこの間のきちんとお別れしましたよ』
私が本当に帰ってこないと判ったエリス嬢は不機嫌丸出しの顔でどんどんと離れていく。
「待ってよエリスちゃん‼…Aちゃん。私は何時でも歓迎するよ」
『二度と、戻らないので結構ですよ』
「其れは残念だ…」
「リンタロウ‼早く‼…ナマエ‼私、諦めないから‼」
嵐の様に去っていく二人を見送ると背後から衝撃が来る。
『鏡花ちゃん?』
「…」
「鏡花ちゃん?如何したの…鏡花ちゃん‼」
私にしがみつき崩れ落ちていく鏡花ちゃん。しまった…配慮が足りなかった…。
マフィア抜け出して数日の内にその首領に会うなんて…恐怖以外の何物でもないじゃないか。
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美影(プロフ) - すごく面白いです!言動が漫画、アニメその物で凄く引き込まれます!これからも更新頑張って下さい! (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7e8f63469d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2019年12月11日 11時