君も俺に依存しなよ【そらる】

Dependence*29 ページ29

「おじゃましまーす…」



「どうぞ、どうぞー」



"そらるさんは先に僕の部屋に行っててください"なんて言われてそのまま二階へ上がる




1番奥の部屋がまふの部屋だ




いつも、開いていた他の部屋の扉が今日はやけにしっかり閉じられている気がした。



「飲み物です」


なんて言いながらまふが部屋に入ってきた。


「悪い…ありがと」


そう言えば、ニコニコと嬉しそうな顔をする




すると、まふが座るなり口を開いた



「ねえ、そらるさん」


「ん？」




「そらるさんは僕のこと好きですか？」



あまりに突然の質問で
俺は口に含んだジュースを危うく吐きかけた




「いきなりなんだよ」



まふは笑顔のまま続ける


「僕のこと好きですか？」


「まあ、付き合うとかそういう意味じゃなきゃ…普通に好きだけど？」



そう返すと、


「Aのことは？」



「は？」


「Aのことは付き合うとかそういう恋愛対象として好きなんですか？」





まふの時はさらっと答えれた返答が

俺は出来なかった。



「僕、Aが好きなんです」




赤い瞳でまふは口元に弧を描く

「僕は大好きな人といるためならなんでも出来ますよ」



そう言った後まふは立って、部屋のドアを開いた


「そらるさんついてきてください」





そう言って笑ったまふは

いつもと違って見えた。








*



階段のすぐ側の部屋に手をかけたまふ


「そらるさんがAのことそういう風に見てないなら」




「僕はそれでいいんです」




開かれた扉の向こうには
真っ白なベッドが置いてあって


そこに



「Aちゃん？」




彼女が横たわっていた



「まふ、どういうこと？」


横にいるまふを見ると



キラキラと目を光らせて

「大丈夫ですよ？眠ってるだけです」



「僕以外見ないで欲しいなって」




「閉じ込めてみたんですよ」



子供がおもちゃを取られないように隠すようだ。



するとまふが


「そらるさん、僕今日のご飯買いに行きたいので、Aのこと見ててくれませんか？？」



お願いです。なんて手を合わせて
俺を見る


「ああ、いいよ」


ありがとうございます！！なんて部屋を出ようとしたまふが振り返って



「Aは僕のですから。ね？」

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