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第64幕 本当の想い ページ19

オレはぬらに秀元に教えたように、自分に起こった全てを、伝えた。

自分が未来から来た、と言うことを。



「……」

「…て事だから、な?いつまでここにいれるかは分からねぇんだ」

「……」

「だから、お前の気持ちには答えられない…」

「……」

「ぬ、ぬら…?」

「……」


オレの話を聞いてから、手を顎に添え、何かを考えるようにして動かなくなったぬら。それから一向に喋らない。

お前が何か話してくれないと色々進まないんだが!?
…何をそんなに考える必要がある?オレはさっさと珱に求婚して来て欲しい頃なんだけど。

下からは奴良組たちはまだ大将がいないことに気付いていない様で、酒を飲んだり飲まれたり、騒がしい。
その妖怪たちの中には人間の女子が、珱が混じっている。
奴良組は悪い奴ではないと分かっているが、少々心配だ。


「おい、ぬら。何をそんなに考える必要があんだよ。…それとも、オレの言ったことが信じられねぇか?」

「信じとるに決まってんじゃろ」

「!…そうか。だったら、何を考えて…」


ぬらの即答した返事に少し嬉しくなりながらも、何をさっきから悩んでいるのか気になった。
そして、あの金の瞳が再びオレを捉えた。


「凛…。おめぇ…辛く、ないのか?」


「……ぇ…?」


何故か、ドキリと心臓が跳ね、ぬらの言葉に目を丸くする。

「辛くないのか?」だと?オレは辛そうに見えていたのか?何処を、何を見て?

何故、そう思ったんだ?


「いきなり過去へ来てしまったんじゃぞ?戸惑いや不安もあったじゃろ」

「…っはは。何を言い出すかと思えばそんな事かよ。オレは大丈夫だ」

「“そんな事”?“大丈夫”?何処がじゃ!ふざけんじゃねぇ!そんな事で大丈夫なら、どうしてそんな目をしてんだ!?」


……目?

オレの目がなんだ。辛そうに、孤独に見えた、ってか?
そんなはずねぇ。オレは『この世界』に来れて…嬉し、い…はず、なんだ…。


「凛。ワシは未来から来た訳じゃねぇから、お前がどんなに辛いのか、全てを理解すんのは無理じゃ。じゃがのぅ…」


黙ったオレの腕を引き、優しくぬらは抱き締めた。

なん…で、今更になって…こんな…っ。
こんなにっ…!



「強がるな。泣け、凛。ワシが、奴良組がいる」



寂しい、悲しい、辛い



「お前は一人じゃない」




逢いたい、みんなに




帰りたい、みんながいるあの場所に――――。

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(プロフ) - 続きめっちゃ気になります! (10月3日 23時) (レス) @page25 id: 1fc4502f62 (このIDを非表示/違反報告)
チカ - 続きが気になりマックス (2018年6月27日 22時) (レス) id: 7c63f912f8 (このIDを非表示/違反報告)
アニメラブ(プロフ) - 面白い!!続きが待ちきれない (2017年12月22日 22時) (レス) id: 9491c8ca0e (このIDを非表示/違反報告)
春歌 - 続きがすごく楽しみです♪ (2017年11月25日 12時) (レス) id: b5a85efb84 (このIDを非表示/違反報告)
サヒア - 皆様〉応援ありがとうございます!今更ですが、頑張ります! (2017年8月29日 15時) (レス) id: 1d3fa82ba1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サヒア | 作成日時:2015年2月23日 15時

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