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朔間先輩。からの? ページ7

ジャージに身を包んだ嬢ちゃんは、やっぱり、マスクで長袖じゃった。

先程からごめんなさい。とその言葉ばっかりじゃ。
ずっと俯いて我輩の顔なんて見もしない。

「嬢ちゃん。我輩そんなに謝って欲しい訳じゃないのじゃけれど…。」
『あっ、あの、謝るだけで許してもらえるなんて思ってません、あの、お礼ならいくらでもするので…。』

全くもう。仕事はこなせるくせに疎い子じゃのう。

「嬢ちゃん。こういうときは”ありがとう”じゃよ。」

『へぁっ…あえっと…ごめんなさい。ありがとうございます。』

マスクの下で少し微笑んだ嬢ちゃんにこんな表情もできるのだと思ったものじゃった。

そして少し顔を窺って切り出した。

「嬢ちゃん。一体何があったんじゃ?」
『…んー…よくあった事なんです。それでも最近はなくて。ちょっとびっくりしただけなんです。ご迷惑おかけしました。』

俯きながら自嘲気味に話す嬢ちゃんは細くて、小さくて脆くて。今にも消えてなくなってしまいそうじゃった。

「嬢ちゃん…嬢ちゃんはどうしてそんなに泣きそうな顔をしているんじゃ?」
『そんな訳ないじゃないですか。あんな事で私が泣くなんて。』

気づいたら抱きしめていた。消えて欲しくなくて、そこにいて欲しくて。ただそれだけで嬢ちゃんを抱きしめていた。

『…!?!?せんぱ、離してください…!先輩は私なんかにはっ…』
「嫌じゃ。何がそんなに嬢ちゃんに無理をさせているんじゃ?何がそんなに嬢ちゃんを縛り付ける?」
『なんも…ないです。』

そんな訳ないのに。何もないなら何でそんなに声を震わせる?

「たまには、幼子のように泣いて喚いてもいいのじゃよ。ここには我輩と嬢ちゃんしかおらん。だれも嬢ちゃんを咎める者なんて居ないのじゃよ。」

嬢ちゃんの頭を撫でて、少し力を入れ直して抱きしめてやると嬢ちゃんが徐々に肩を震わせ始めた。

『ぅう…ごめんなさい…ひっく…ごめんなさい…』

やがてその言葉すらも嗚咽に消えて、我輩の体を力強く抱き締め返してきた。
抱きしめ返すというよりも、すがり付いてくる。そのような感じじゃった。

『せんぱい…せんぱ…っ…朔間先輩…うぁっ…』


精も根も尽き果てたように、嬢ちゃんが鼻をすすりながら話し始めた。

何が正解か分からないんです。→←言わないよ。



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夜空 -Night Sky-(プロフ) - すごく面白いです!!続き楽しみです!...完結? (2020年8月20日 0時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
緋凰(プロフ) - みかん星人さん» はっ…!確認してみたらそうでした…!ひぇっ…、やらかしです、、ご指摘ありがとうございます!更新頻度はバラバラですが、これからもよろしくお願いします! (2018年9月23日 23時) (レス) id: 2788ca1a51 (このIDを非表示/違反報告)
緋凰(プロフ) - 佳乃さん» 描写は自分の好きなように、綺麗に描写できるように、心がけているので嬉しいです!ありがとうございます! (2018年9月23日 23時) (レス) id: 2788ca1a51 (このIDを非表示/違反報告)
みかん星人(プロフ) - お兄ちゃん。のとこのホッケー、サリーの間違いじゃないですか?すいません!更新楽しみにしてます! (2018年9月23日 0時) (レス) id: 8089ca85b5 (このIDを非表示/違反報告)
佳乃(プロフ) - 真緒くんの両親が酷い・・・ただ描写が切実で切ない・・・思わず泣きそうになりました。 (2018年9月18日 22時) (レス) id: a3cd6ccc41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋凰 | 作成日時:2018年7月20日 0時

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