満たしてよ。 ページ37
「ほんと!?やった!君可愛いから俺、テンション上がっちゃうよ!」
馴れ馴れしく腰に回される手。
胸焼けするような香水の匂い。
目の前に見えてくるのはホテルで、、もう終わる。これが終わったら、1度ちゃんと必要とされて、満たされたら、家には帰らずに私の人生も終わりにしよう。
そう思った。
なのに。
それでも神様は私を解放してはくれないのだ、
ホテルの入口に続く路地裏に入ろうとした時、鼓膜を揺らしたのは。
低いわけじゃないけど落ち着いた、それでいてよく通る声。
「そこの2人。そろそろ補導時間ですよ。」
「それと、そこの貴男、彼女が18歳未満なのは見ればわかるでしょう?」
『椚先生…』
なんで、ここにいるんですか。
そんなことも言えずに呆然と立ち尽くしている間に、あのお兄さんは先生が追い払ってくれたみたいで。
あの、嫌に落ち着いた瞳が私に向けられる。
「貴女は、どうしたいのですか?」
『え…ごめんなさい、分からないです。』
「じゃあ何故あなたは、彼に付いて行ったのです?」
『えっと…なんとなく…ですかね。』
呆れられただろうか。
でも別にそれでもいい。衣更真緒の妹はもうすぐ消えるのだから。
「…幸い今は、補導時間ギリギリです。全く、野外ライブを注意しに来たら、貴女がいなくなったという連絡を受けて…たまたまですよ。」
「私の車があるので、ゆっくり話をしながら、学園へ戻りましょう。」
帰りたくない、それを言う気力すら今の私にはなくて、黙って先生のあとを付いて行った。
夜のネオン街は冷たかった。
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夜空 -Night Sky-(プロフ) - すごく面白いです!!続き楽しみです!...完結? (2020年8月20日 0時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
緋凰(プロフ) - みかん星人さん» はっ…!確認してみたらそうでした…!ひぇっ…、やらかしです、、ご指摘ありがとうございます!更新頻度はバラバラですが、これからもよろしくお願いします! (2018年9月23日 23時) (レス) id: 2788ca1a51 (このIDを非表示/違反報告)
緋凰(プロフ) - 佳乃さん» 描写は自分の好きなように、綺麗に描写できるように、心がけているので嬉しいです!ありがとうございます! (2018年9月23日 23時) (レス) id: 2788ca1a51 (このIDを非表示/違反報告)
みかん星人(プロフ) - お兄ちゃん。のとこのホッケー、サリーの間違いじゃないですか?すいません!更新楽しみにしてます! (2018年9月23日 0時) (レス) id: 8089ca85b5 (このIDを非表示/違反報告)
佳乃(プロフ) - 真緒くんの両親が酷い・・・ただ描写が切実で切ない・・・思わず泣きそうになりました。 (2018年9月18日 22時) (レス) id: a3cd6ccc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋凰 | 作成日時:2018年7月20日 0時