衣更真緒の妹は長袖マスク少女でした。 【あんスタ】

甘えたいなんて言わないけど。 ページ13

「じゃあ、お願いしますね。」
「あいよ。お前らも頑張れよ〜。」

「んで、どうしたの。Aさんよ。」
『ん、何もないですよ。』
「貧血か？ん？」

ちょっと先生。話聞いてます？

「…熱はないな。」
『ですよね？だから大丈夫です。』

頭はガンガン。実際自分が何を話してるのかすらもよく分からない。
でもここで自分が弱っていることを認めてしまったら、自分が自分じゃなくなってしまうような気がして認められない。

「って、おいおい！？！大丈夫か！？！泣くな、泣くなって〜大丈夫だから。な？」
『っぇ？』

知らぬ間に涙が頬を伝っていた。泣き止まなきゃ。起こられる。泣き止まなきゃ、また怒られる。

___おい、衣更、ふざけんなよ！___
___教室に戻れ。____

『っち、違うんです…っぁ…ごめんなさい。すぐ泣き止むから…戻るから、ごめんなさいっぁ、違うの、ごめんなさい…ぁ』

身体が震える。怖い。怒られる。息が、出来ない。また、あの感覚だ。逃げたい。怖い。

「…大丈夫、大丈夫だからな。ちょっと待ってろ？」

ふわっ。っと柔らかな毛布に身体が包まれる。

『っぇ…ん…っはっ…はっ…』
「ん〜…こうした方が落ち着くか？」
『っは…はっ…さが、み、せんせ…っぁ』

先生が私を包み込んでくれる。伝わってくる体温が心地いい。頭を撫でられる感覚。
そんなことされたら、甘えたくて、素が出てしまいそうで怖いよ。

『せんせ…っは…ごめんなさ…はぁっ…んげほっ…』
「大丈夫。大丈夫だぞ。Aは何も悪くねぇからな〜。」

迷惑かけてる。どうしよう。こんなんじゃ、衣更真緒の妹じゃいられない。
出来損ないが更に落ちぶれていく。

どうしたらいい？どうしたら。私は衣更真緒の妹でいれる？

私も。普通になりたいよ。

泣いて泣いて泣いて→←いっぱいだよ。

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