解けないその糸は【文豪ストレイドッグス】

１５ 好奇心は人を殺す ページ15

敦ｓｉｄｅ


太「あぁ、何で私が男と一緒に店に入ってコーヒーなど飲まないといけないかねぇ...。」

敦「僕は被害者ですよ...。というか、第一ここに入って休憩しようって言ったの太宰さんじゃないですか！！」

太「だってずっと立っとくのもあれだし、与謝野先生にたのまれては流石の私も反対できないのだよ！！」







暇だ、とまるで親に唯をこねる子供みたいな太宰さんにこっちが恥ずかしくなる。

ある時は人を目で殺せるのではないかと思うほど怖かったり、ある時は子供みたいに単純な思考をしており、度を超えると面倒くさかったり...。



敦「もう太宰さんが分かりません...。」

太「え、敦くん...。そんなに私の事を...？」

敦「勘違いしているのと、後、その顔気持ち悪いんでやめてください。」

太「ちょ、敦くんまで私に辛辣なの！？探偵社の皆もだが、もう少しこの私を敬うべきだと思うよ！？」



...何処に敬うべき場所があるんだ。

遅れて出社してくるし、来た所で仕事はせずに国木田さんに怒られてる所は日常茶飯事。

真面目に仕事してるのかと思えば、こっそり本読んでたりとか。





敦「何で太宰さんってこんなに駄目人間なんだ...。」

太「敦くん、本人目の前にいるんだけど...。」



やっぱり太宰さんの顔を見てはぁ、と溜息をつく。

国木田さんが上司...は厳しそうだし、与謝野先生や乱歩さんも違う気がする。

賢治くんや谷崎は先輩だけど、付き合いは同期って感じだし。

...となると、残るはAさん？






太「彼女は人の上に立てる人間じゃないよ。」

敦「...太宰さんは、Aさんの事になると何というか...凄いですよね。」

太「勿論！！私はAの事が大好きだからね。」




...ほら、またその目だ。

愛情と狂気と執着をどろどろに溶かし合わせたような、ねっとりと絡み付いてくる視線。








敦「...Aさんが早く太宰さんの事を好いてくれるといいですね。」

太「本当にそうなんだよー！！何十年も一緒にいるのにねぇ...。」

敦「そういえば、太宰さんとAさんって何処で出会ったんですか？」

太「...その話をしたら、敦くんの明日はないよ？」





何気なく聞いた質問だったけど、返ってきた言葉にえﾞ、っとなる。



与「太宰、敦！待たせたね。」

太「おおおおお！！！待ってましたよ、与謝野先生！！」







与謝野先生達と合流したので、結局分からぬままその話は終わってしまった。

...何か、気になるかも。

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