第51話 ページ33
「A、ちょっといいか?」
「はい。」
ある日ゼンと話している時にイザナ殿下に呼ばれた。いや、私はイザナ殿下の側近なんだから呼ばれるのは普通なんだろうけど...。
でも、いつもならその場で伝えるはずの要件をわざわざ場所を変えてまでいう必要性。それはゼンに聞かれたくないから、しか考えられない。
「わざわざ移動してもらってすまないね。」
「いえ。」
「頼みごとがある。」
いつになく真剣な表情で私はなにか重大なことであることを悟った。
「何でしょうか?」
「弓矢番に最近入ったアトリという少年がいるのは知っているな。」
「はい。」
ゼンと仲良くしてるっていうのは確か秘密だったはず。最低限のことしか知らないふりをしよう。
「彼は逆賊の可能性がある。」
「え...。」
「そこでA、少々探りを入れてほしい。俺やミツヒデがすればいいんだが、お前の方が警戒されないだろう。」
「それは親しくなれということですよね?」
「ああ、なにか少しでも怪しければ教えてくれ。それからこのことはくれぐれも誰にも言うな。言っていいのは俺にだけだ。」
「はい、承知いたしました。」
「お前に出来るかは謎だが、多少の色仕掛けは必要かもな。まあ、気をつけてくれ。」
最後のセリフは笑いながら、だった。色仕掛けをしろということなのか、それとも前置きが語っているように冗談なのか。
...あんなところで冗談を言う人でもないか。
「お、A帰ってきたな。何だったんだ?」
「ん?書類の話。」
「なんだそんなことか、毎日毎日仕事でご苦労だなお前も。」
「いや、ゼンが仕事してないだけだ。」
「ぐ。とりあえず今日も抜け出すからいい感じにミツヒデ追い払っといてくれ。」
「私も行く。」
「は?」
「弓矢番の子のところに私も行く。」
「急になんだ。」
「ゼンの話聞いてたら楽しそうなんだもん。ゼンばっかりずるいよ。」
そう言って拗ねたふりをする。ちょっと心が痛いけど、ゼンやイザナ殿下、それに城の人たち、国の人たちが傷つく方がもっともっと苦しい。
「お前が来たらミツヒデにバレるだろ!!」
「じゃあ仕事してから行きなさいよ!毎回毎回私に押し付けてるのは誰!?」
「...わかったよ!!」
2人で窓を乗り越えて木に飛び移って城の人たちに見つからないように目的地を目指した。
「よおアトリ!遅くなって悪かったな。」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
203人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
える@低浮上(プロフ) - ワンダーランド☆さん» わああありがとうございます!! (2016年9月3日 23時) (レス) id: 452b3821d2 (このIDを非表示/違反報告)
ワンダーランド☆(プロフ) - える@低浮上さん» 嫌なわけがないです!!ぜひぜひよろしくお願いします!! (2016年9月3日 23時) (レス) id: 56d0db472c (このIDを非表示/違反報告)
える@低浮上(プロフ) - 失礼します、あの、もしよかったらあなたの作品のスピンオフを書かせていただいてよろしいでしょうか……!! 嫌なら全然構いません! (2016年9月3日 22時) (レス) id: 452b3821d2 (このIDを非表示/違反報告)
ワンダーランド☆(プロフ) - えるさん» ありがとうございます!頑張りますねー! (2016年7月31日 16時) (レス) id: 56d0db472c (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - オビ好きなのですごいおいしく読みました!!更新まってます! (2016年7月30日 14時) (レス) id: 5e75a04cfe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ワンダーランド☆ | 作成日時:2015年12月16日 20時