第42話 ページ24
しばらくの間考え込んでいたゼンだったがふと顔をあげた。
「なにか思い出したの?」
先を急ぐように答えを聞きにくる。
「いや、原因はやっぱり兄上じゃないだろうかと思っただけだ。」
「イザナ陛下...。そう言えばAすごく怖がってたよね。イザナ陛下はAに対してすごく優しかったけど。」
「ああ、あいつが思い悩む過去といえば兄上ぐらいしか思いつかない。」
「Aはイザナ陛下の側近だったんだよね?」
「そうだ。」
「どんな感じだったの?」
「どんな感じって...。」
「仲は良かったの?」
「仲は良かったな。小さい頃俺が嫉妬するくらいにな。」
「ゼンが?嫉妬?」
そう言ってクスクスと笑う白雪を見て、自分が失言したことに気づいた。
「あ、いや、忘れてくれ!とにかく俺とミツヒデなんかよりももっと仲が良かったんだ。」
「ゼンとミツヒデさんよりも!?それっておかしくない?だってAは何も言わずに去ったって。そんなに仲が良かったなら...。」
「いや、確かAが出ていった時はなにかぎくしゃくしていた。」
「じゃあ、それをAは今でも引きずっているのか...。」
白雪にはあのAが昔のことで悩んでいるというのが信じられなかった。白雪の中でのAは強くて、どちらかといえば男勝りででもどこか可愛くて、憧れだった。
剣を持って衛兵と手合わせしているところは木々さんの美しさとはまた違った美しさを持っていた。
木々さんの手合わせは無駄のない動きで流れるように相手にとどめをさす。
Aの手合わせはまるで舞うかのように軽く、そう例えるなら剣舞のように、殺意というか、倒したい勝ちたいという気持ちを一切表に出さない。
すべてにおいて、彼女は綺麗だった。強かった。
1度Aにそれを言ったことがあった。そうしたら、
「私は強くないよ。白雪みたいに芯がない。まわりに流されて結局自分を持てないんだから。」
と笑って返された。
「...兄上に聞いてみるべきなのか。」
「私はAが話してくれるのを待ちたい。待っていて手遅れにはなりたくないけど、勝手に過去を詮索されて嬉しいはずはないと思うから。」
「そうだな。また何かあったら教えてくれ、俺も気をつけておく。」
「わかった。」
その後ふたりがいちゃいちゃとしたのは言うまでもない。
ただゼンは不完全燃焼だったようだが。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
203人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
える@低浮上(プロフ) - ワンダーランド☆さん» わああありがとうございます!! (2016年9月3日 23時) (レス) id: 452b3821d2 (このIDを非表示/違反報告)
ワンダーランド☆(プロフ) - える@低浮上さん» 嫌なわけがないです!!ぜひぜひよろしくお願いします!! (2016年9月3日 23時) (レス) id: 56d0db472c (このIDを非表示/違反報告)
える@低浮上(プロフ) - 失礼します、あの、もしよかったらあなたの作品のスピンオフを書かせていただいてよろしいでしょうか……!! 嫌なら全然構いません! (2016年9月3日 22時) (レス) id: 452b3821d2 (このIDを非表示/違反報告)
ワンダーランド☆(プロフ) - えるさん» ありがとうございます!頑張りますねー! (2016年7月31日 16時) (レス) id: 56d0db472c (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - オビ好きなのですごいおいしく読みました!!更新まってます! (2016年7月30日 14時) (レス) id: 5e75a04cfe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ワンダーランド☆ | 作成日時:2015年12月16日 20時