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第32話 ページ14

「ちょっと資料室に行ってくる。ミツヒデ、行くぞ。オビ、Aちゃんと仕事しとけよ。」
そう言って席を立ってドアの方へ向かうゼン。
「げえ。」
あからさまに顔をしかめながら主を見送るオビ。
そして資料に顔を戻して今の状況に気づいた。広い執務室にオビとA2人しかいない。にもかかわらず、未だにオビの隣に座っているA。
オビの視線に気づいたのかふと顔を上げたAはオビ見て
「オビ、さっきはありがとう。」
と一言だけ言った。
「俺は何にもしてないよ、A嬢。」

「オビが来てくれなかったら...。」
そう言って哀しそうな顔を見せ、下を向く。

(おいおい、今のこの状況でその顔は反則だよ。)

「そんな哀しそうな顔しない。A嬢は今ここにいる、それだけでいいじゃん。」

「そうだね。珍しくオビがいいこと言ってるし。」

「珍しくって何!?」
調子が戻ったAにホッとしながら話しにのるオビ。

「あ、相棒って言ってくれたのは嬉しかった。ありがとう。」
オビのペースはすぐに崩された。
(今日の、A嬢ほんとに無防備だな。って俺は何考えてんだ。)

「ああ、だって実際そうでしょ。旦那の隣に木々嬢がいるみたいに俺の隣にはA嬢って日がいつかくるといいね。」

「そうだね...って今は違うの。」

「おお、A嬢もノリツッコミ出来るんだな。」

「話をそらすな。」
そこからは楽しく(?)喋っていて、あっという間に時間は過ぎた。当然仕事は終わっていない。


「A、オビ、仕事が終わっていないとはどういうことだ。」
ゴゴゴゴゴという擬音語がつきそうなオーラを放ちながら書類を睨みつけるゼン。
「主、病み上がりに仕事させたら駄目でしょ。」

「そうだよ、私はさっき復帰したんだから。」

「お前らな...。A、お前は自分から手伝うと言ったんだろ。オビ、そもそもお前は仕事ができない理由がない。よって2人とも残業だ、諦めろ。」

「えぇ――――っ。」
2人揃って声をあげる。

「そりゃないですよ、主ー。」

「ゼンも、大して仕事やってない。」

「うるさい。はやくやれ。俺は部屋に戻るからな。」

「白雪のところに行くのか。」

「なるほどお嬢さんと約束でもしてたんですね。」
2人ともふんふんと勝手に納得する。

「お前らな。」
顔を真っ赤にしたゼンが2人に拳骨を落とす。
それでも2人は一向に懲りない。
こうしてまた1日が過ぎていく。

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設定タグ:赤髪の白雪姫 , オビ   
作品ジャンル:恋愛
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える@低浮上(プロフ) - ワンダーランド☆さん» わああありがとうございます!! (2016年9月3日 23時) (レス) id: 452b3821d2 (このIDを非表示/違反報告)
ワンダーランド☆(プロフ) - える@低浮上さん» 嫌なわけがないです!!ぜひぜひよろしくお願いします!! (2016年9月3日 23時) (レス) id: 56d0db472c (このIDを非表示/違反報告)
える@低浮上(プロフ) - 失礼します、あの、もしよかったらあなたの作品のスピンオフを書かせていただいてよろしいでしょうか……!! 嫌なら全然構いません! (2016年9月3日 22時) (レス) id: 452b3821d2 (このIDを非表示/違反報告)
ワンダーランド☆(プロフ) - えるさん» ありがとうございます!頑張りますねー! (2016年7月31日 16時) (レス) id: 56d0db472c (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - オビ好きなのですごいおいしく読みました!!更新まってます! (2016年7月30日 14時) (レス) id: 5e75a04cfe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ワンダーランド☆ | 作成日時:2015年12月16日 20時

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