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復讐許可 ページ44

会話は意外にも弾み、時間はすぐに経った。
午後三時を知らせる鐘の音でお開きにした。
「ほい。さっき言った種子。」
「あ、ありがとうございます…。」
茶色の小さな紙袋を受け取る。
《育てたい…》
ツカサがそう、呟いた。
きっと私よりこの植物を愛でるだろう…。
そう思いながら、じゃあ、また…と言って城を後にした。

膨大な魔力を有しているせいかモンスター達は近寄ってこないのだ。
そのおかげで今は安全に出歩けている。
「……あまり、嬉しくはないな」
そう呟いた瞬間変な音が聞こえた。
気のせいと思い、歩みを進めていたが…

─困ったな。

「っ!」
どこだ?どこから声が…?
周囲を見渡すが全く見えない。
きっと頭の中で語りかけているのだろう。

─朗報だ。

「…朗報?」

─裁判の結果が出た。……まぁ、結果はお分かりだが

…有罪判決、というのは目に見えていた。
しかし、なぜ…

─わざわざ教えたのか?…見れば分かる

そう言われ、頭の中に何かが入ってきた
……これは、テレビの画面か?

キャスターがニュースを読み上げる。
『先日、女子高生電車突き落とし事件の被告人の──氏に有罪判決が出されました。──氏は容疑を認めており──』
有罪判決なのは分かっていたがキャスターが言った次の言葉が衝撃的だった。
『──氏は他にも4件の殺人事件を犯行しており』
「え…?」
私以外にも殺された人が居たのか…。
そう考えているとキャスターが次のニュースです。といった所で電源が切れた。

「…どこが朗報と?」
出た言葉はそれだけだった。

─復讐を許そう。

「──は?」
復讐?そんなの。
「復讐なんてものこの世で最も時間の無駄の行為。する必要性がない。」

─……その口がいつまで聞けるか。楽しみだ。

バチン!と何かが弾けるような音が聞こえ我に返る。

《アキラ?ぼーっとしてたけど、大丈夫?》
「…平気、ちょっと暑さにやられたかもね。」
「早く帰ろうか」と言って早歩きで帰った。

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Mizin(プロフ) - 紅奈虹夢@虹茶さん» コメントありがとうございます。好きと言っていただけて嬉しいです。 (3月22日 18時) (レス) id: 64f8ddb167 (このIDを非表示/違反報告)
紅奈虹夢@虹茶(プロフ) - 何回見ても好きです この小説 (3月21日 8時) (レス) @page44 id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
Mizin(プロフ) - にぃさん» ありがとうございます!! (8月18日 13時) (レス) id: 64f8ddb167 (このIDを非表示/違反報告)
にぃ - 面白い! (8月18日 8時) (レス) id: ca89a6fb10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Mizin | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年12月17日 20時

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