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髪を切る ページ42

視点回帰:アキラ

「……ん」
朝、か…そう思い、起き上がり時計を見る。
デジタル時計が示しているのは八時半。
廊下の電気は保安灯から青白い明るさに変わっている。
《おはよう…》
「おはよう」
着替えようと思い服を脱ごうとしたが意識が遠のき、気が付けば着替え終わっていた。
髪を梳かし、歯磨きを済ませる。

「いただきます」
朝食を食べる。
今日は目玉焼きとトースト、トマトスープとサラダで美味しい。
目玉焼きには一口目は何もかけずに食べ、その時の気分で何をかけるのかを決めている。
今日は塩胡椒だな…と思い、少量掛けた。
「今日、前髪を切りましょうか」
そう言われ、食べる手を止めた。
「切った方が良いと思うのだけど……どうかしら?」
正直に言うと切りたくない、が…。
銃の射撃の邪魔になっているのは確かだ。
「……切り、ます」
そう言うと朝食の後で切りましょうか、と言われぎこちない頷きをした。

「じゃあ、目を瞑って」
そう言われ、怖い物を見ない様にギュッと瞑る。
しょき…しょき…と鋏の音が聞こえ、ヒヤリとした感覚が額に感じる。
五分位経っただろうか…終わったわよ、と言われ目を開けた。
「……」
「どうかしら?」
鏡の向こうに前髪は目に掛からない長さ、後ろ髪の長さは胸元位の私が映る。
……黄色の目と合う。
「…大丈夫、です」
つい、鏡から目を逸らしてそう言った。
「そう。良かったわ」
久々に切ったものと満足気に言う。
「……あの、お願いがあって」


十分後、鏡には前髪も後ろ髪も短くなった人間が居た。
胸元まであった髪は肩上ボブになり、肩に付かなくなった。
《バッサリ切ったね》
サクラが出てきた。
「変?」
《うぅん、寧ろ可愛い》
「かわっ……いや、良いけど」
そう話しているとユウヤが出てきた。
《可愛さと格好よさが混じってるな》
《あ、それだ》
「そう?なら、良いけど」

──でも。

「目の色……なんとかならないのかな」
《ムリだろ》
《それは諦めるしかないね》
だよね…と言って鏡を見る。
どこか気に入らない色…完全に私は異世界の人間と化しているように見えてしまう。
黒髪というせいもあるのだろう、黄色が映えてしまう。
ため息をして鏡から離れた。

目の色が嫌いな理由→←報告書(No.3)



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Mizin(プロフ) - 紅奈虹夢@虹茶さん» コメントありがとうございます。好きと言っていただけて嬉しいです。 (3月22日 18時) (レス) id: 64f8ddb167 (このIDを非表示/違反報告)
紅奈虹夢@虹茶(プロフ) - 何回見ても好きです この小説 (3月21日 8時) (レス) @page44 id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
Mizin(プロフ) - にぃさん» ありがとうございます!! (8月18日 13時) (レス) id: 64f8ddb167 (このIDを非表示/違反報告)
にぃ - 面白い! (8月18日 8時) (レス) id: ca89a6fb10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Mizin | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年12月17日 20時

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