前世よりも危険が危ないのですが

最悪の転生 ページ4

ズキリ…と頭が痛む
先程、母親に酒瓶を投げつけられたせいだろうか
無理やり腕を引かれ、暗い倉庫の中にいれられた
《大丈夫？》
「…へいき」
頭の中で男の声が聞こえる
いつの間にかそれが日常と化していた
「…神さまっているのかな…」
《居ると思えばいるんじゃないかな？》
「…そっか」
と言って倉庫の中を漁る
多分、食料がどこかにあったはず…そう思いながら漁った
《変わるよ》
頷いて変わった

神によって同意した転生の結果、Undertaleの世界に転生した
今世の家庭環境は前世より極めて悪い
学校の立場は底辺の底辺
最悪極まれりだ
その上、多重人格というものになってしまった
他の人格はあやめとしての記憶は持っていないようだ
誕生日なんて祝われてないが…9歳くらいだろうと推測している

瞬きをすると目の前にリンゴがあった
《見つけたから食べて》
「…ありがとう、シュウ」
と言って齧っていると外から声が聞こえてきた

「なぁ、あのイビト山ほんとに戻ってきてねぇのか？」
「らしいぜ…数百年前に一人消えたらしい」


…イビト山
登ったものは二度と戻ってこない山
学校で登るな散々言われている
《行きたいの？》
「…ここで死ぬより登って死んだ方がいい」
《今日の夜に行くの？》
「…そりゃ…」
思い立ったらなんとやらだ
《分かった。皆んなに伝えておく》
「ありがとう」
体力を回復させるため一旦寝ることにした

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