前世よりも危険が危ないのですが

熱 ページ29

視点回帰︰アキラ

ピピッ…と体温計の音が聴こえ、体温計をみる
37.5℃…おめでとう。見事なまでの発熱だと思った。
頭と身体が重い。関節も痛く起き上がるのが辛い……。
トリエルさんが体温計を見て驚いていた。
薬を取ってくると言って慌てて部屋を出た。
アズゴアさんはベッドの横に椅子を持ってきて座った

｢…夜中、外に出たかい？｣
｢…へっ？｣
質問の意図が分からず、変な声を出してしまった。
昨日の夜は寝ていて、朝起きたばかりだと言うことを告げた。
すると納得したようでそれ以上何も聞かれなかった。……何か疑っていたのだろうか。
少し疑問に思いながら見ると心配そうな顔をしていたが私を安心させるように頭を撫でてくれた。
その後、薬を飲んで私は眠りについた。

目が覚めるとお昼の時間だった。
食欲は少しある…
｢…はぁ｣
いつの間にか額にはタオルが置いてある
頭の方も氷枕が敷いてある。それにしても頭がぼーっとする…。
薬は効いているのかと思うくらい身体が重たい。
寝た方が良いのだろうかと、考えているとドアをノックする音が聞こえた。
返事をしようとする前にドアが開いた。
｢起きたのね。食欲はある？｣
｢すこし…｣
と答えると、良かったわと微笑んでくれていた。
何故か少し恥ずかしくなり俯いた。

お盆の上には美味しそうなスープが置いてある。
スプーンを使って一口飲むと、優しい味がした。
食べ終わり、薬を飲んだ。
胃の中が満たされ、眠気が来たが寝たくないと言う矛盾した気持ちになる。
まだ、聞きたいことがあるからだ。
今なら答えてくれるかも知れない。
熱に浮かされ変なことを言ってると思われるかも知れない…。
どうして、こんなにも優しくしてくれるのかと…。
理由もなしに優しくするはずがない。
知っているゲームのキャラクターとは言えあまりにも優しすぎる。
そうね…と言って考える仕草をする。

｢困っている人を放っておけないもの｣
「……それだけ？」
「ええ、それだけよ」
もっと他にもないのだろうか？
これがお人好しというものなんだろうか？ それともまた別の意味があるのか？ そう考えるだけで頭が痛くなる。
でも、この人達は優しい……それだけは分かる。
寝てなさい。と言われ横になり、眠りに着いた。

名付け→←菫｡縺倥※

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