前世よりも危険が危ないのですが

優しさに溢れている ページ21

あの後、トリエルさんは夕食を作ると言ってどこかに行ってしまった。
その為、半強制的にアズゴアさんと一緒にいる状況だ
少し気まずい空気が流れている
代わろうか？とシュウに言われたが俯き、首を横に振った。

少しでも苦手意識を減らしておいた方が今後のためだと思うのだ
前世では苦手なものを放置していた
例えば…勉強とかだ
放置してしまった結果周りと比べ続け劣等感へと繋がってしまった
努力というのは必ず実るとは限らない。そう思っていたが結果として劣等感になってしまった

と色々考えていると頭に何か柔らかい何かが当たり、頭を上げると動物の手だった
暖かい…ではなく、なぜ？
何故、撫でている？
「あの…」
「ん？嫌だったかな？」
「いえ…」
こういう時、どうすれば良いのか分からず、困惑してしまう
最後に撫でられたのっていつだったか…と考えていると
「リラックスしてもらいたかっただけなんだけれど」
逆効果だったかな？と言っていたが…

「いえ。その…ちょっとびっくりしただけです…すみません」
「良いんだよ。それに来たばかりだし緊張するのも仕方ないことだから」
気にしないでと言われた
お人好しみたいだ


…今世では前世のように平和というぬるま湯に浸かっていられなさそうだ

精神崩壊している世界、地雷を踏めば殺されかねない…しかも、私自身が解離性同一症

神が言っていた足掻いて見せろというのはこういうことか…
…いや、神の贈り物だが膨大な量の魔力が私にはある。
上手く扱える事さえ出来れば…
生き残る手段がこれしかないというのが現状だ
さて、と…そうするにはまず、しなければならないことがある

「あの。」
「ん？」
「メモ帳が欲しいです…後、ペンも」
他の人格たちと会議しなくては…

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