マイクの管理人さんの違法マイク狩り

２０本目 ページ21

独歩目線



一二三は今にも叫びだしそうだ。



俺は焦ってAさんを部屋から出そうとする。




すると…



一二三「ぷっ…ははははっ！独歩ちん騙されすぎー！！！」



一二三の大声が響き渡った。




独歩「へ？」


俺はぽかんとして一二三とAさんを見比べる。






まさかお前…！



独歩「女性恐怖症が治って…！！」


一二三「ち、違う違う、独歩落ち着いてー。」




俺に服をつかまれガクガクと頭を揺らす一二三は目を回している。





寂雷「一二三君、独歩君をからかうのもほどほどにね。」



先生は微笑みながら俺たちを見ている。



独歩「からかう…？」


俺が首をかしげると、





寂雷「Aくん、久しぶりだね。」



『久しぶりです。寂雷先生、と一二三さん。』



は。



俺は顎が外れるんじゃないかって言うくらい口を開ける。






一二三「いやぁ、入ってきたのがAだったからさー。」



驚かせてやろうと思って、と一二三は舌を出す。






『私もびっくりしましたよ…。』



苦笑いをするAさん。





でも…


独歩「一二三、なんでAさんだけ恐怖症発症しないんだ？」


一二三「いやぁ、ね。最初俺、Aのことスーツ着てる時にナンパしちゃったんだけどさー。」




こんな一二三の体質を慣れさせようとAさんが構い倒した結果大丈夫になったらしい。



独歩「慣れってすごいな。」


一二三「だろー！？」



俺だけ知らなかったのか、Aさんのこと。






あれ、





なんだか心臓のあたりが重たい…。



まさか仕事の疲れが…！


労災がもらえないか俺は頭の中で考える。




しかし、



『最近は下ろしてるんですね、髪。』


寂雷「嫌いかい？」


『いえ、三つ編みしやすくて好きです。』



Aさんと先生の声で我に返った。



彼女は先生の髪の毛を三つ編みにしている。









え、









三つ編み？









俺は真っ青になる。






独歩「Aさん！？」



先生の髪の毛を触っているだと！？


今まで一二三でさえ触れているのを見たことがない先生の髪。


俺なんか恐れ多くて近づけないというのに…。





俺が軽くパニックになっていると


寂雷「ははっ、いいんだよ独歩君。」




先生は微笑んでAさんに髪の毛を預けていた。

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